健一がチャーリーの部屋を訪れると、
そこは酒まみれの地獄絵図だった。
部屋中にはひどい臭いが立ち込め、床には吐瀉物や食べかすが散乱し、壁には怪しい液体の跡が広がっていた。チャーリー自身も、汚れた衣服に身を包み、酔いつぶれた様子で床に寝そべっていた。彼の口からは罵声が漏れ、吐き気を催すような酒臭さがただよっていた。その中、ミアの悲鳴が響き渡り、彼女は部屋の汚濁さに驚きと困惑を隠せなかった。

「こんな…こんなことになっているなんて…！」ミアが悲鳴を上げると同時に、彼女の目から涙が溢れていた。

次の日ー。

彼の不在と部屋の混乱ぶりから、チャーリーがまた酒に溺れたのだろうと悟った。

健一は心配そうに隣で寝ているミアを起こして話しかけた。「ミア、チャーリーがいないんだ。」

ミアも同様に心配そうな表情を浮かべ、「どこに行ったのかしら…」と言いながら服を着て彼の行方を探すことにした。

健一とミアは町の片隅で、チャーリーが
飲み仲間10人ぐらいと一緒にいるのを見つけた。

彼らは古びた酒場の入口に群がっており、汚れた服を着た男たちが笑いながら酒瓶を手にしていた。

健一は不潔な雰囲気を感じながら、ミアに耳打ちした。「あそこにいるぞ、チャーリー。」

ミアも同じく不機嫌そうな表情を浮かべ、
「このままじゃダメね。手を貸さないと…」彼女はそう言って彼の元に向かった。

チャーリーは酒臭い息を漂わせながら、飲んでいる仲間と笑い声を上げていた。
彼の目は血走り、口元にはこびりついた食べ物のかけらが残っていた。

ミアはチャーリーの肩を叩き、やさしく言った。「もう帰りましょう。こんな汚い場所で何をしてるの？」

チャーリーは彼女を見つめ、
「ミアちゃん、そんな真面目な顔するなよ。今日は楽しい夜なんだから、もっと飲もうぜ！」

ミアは彼の目を見つめ、
「チャーリー、もう我慢できない。こんな下品なところで何してるの？お前、もうダメじゃないの？」と不快そうに尋ねた。

その時、チャーリーの仲間たちは彼らを見て、下品な笑みを浮かべながら、
「おいおい、そんな真面目な顔しなくてもいいだろう。楽しいぜ、今日は！」
と言い、再び酒瓶に手を伸ばした。

健一は不機嫌そうにミアの肩を抱き、
「ミア、もう帰ろう。ここじゃ何も得られない。俺たちでチャーリーを引きずり出そう」
とそっと囁いた。

彼らは汚れた場所を後にし、チャーリーを連れて帰り、一刻も早く彼をアルコール依存症から救い出すための計画を立てることを決意した。


まずはノルンに帰ってロイに相談してみよう。


翌日チャーリーを連れて
健一とミアはノルンに戻るために船に乗り込んだ。

船は揺れる海を進み、遠くにはノルンの港が見えてきた。

しかし、船上ではチャーリーの姿がなく、彼の無茶な行動が心配でならなかった。


健一とミアは船を降り、
港で待っていたロイに出迎えられた。
「そろそろ着く頃かと思って待ってたぞ」
久しぶりに会ったロイは変わらず元気だ。



健一は心配そうにロイに尋ねた。「チャーリーは？」

ロイは「一緒じゃないのか？」まだ降りてきていない様子。

すると、港から船を降りる人影が現れ、20人の群れが現れた。その中にチャーリーの声が。
「金ならいくらでもあるからみんな飲めよお」
彼はアルコール臭をまといながら、仲間たちと親しげに話している様子だった。

「兄ちゃんのくれたノルンって酒上手いなあ」
「いくらでも飲めちゃうよ」
「もっとくれえ」

と仲間たちとの会話が聞こえてきた。

健一とミアはどれがチャーリーなのかわからないまま、混乱した様子で立ち尽くしていた。

同じような顔触れが多く、チャーリーを見つけることができない。


健一とミアは船から降りたばかりの仲間たちを見て、ぞんざいな服に酒臭をまとった彼らの姿を見て、不快感と絶望が込み上げてきた。
チャーリーがここまで堕落してしまったのを目の当たりにして、彼らの心は重くなった。

ロイはウンザリしながら彼を呼んだ
「チャーリー！！」

「はい」
「はい」
「はい」
「はい」
「はい」

5人が返事と共に手を挙げた
チャーリーが増えた。