ある日の放課後物語。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
→柱から誰かが!
「あら、なまえちゃんじゃない」
「あ、なびきさん」
教室を出て下駄箱に向かう途中で見知った顔に出会いました。
親友の天道あかねの姉・なびきです。
普段は飄々とした顔をしたなびきですが、わざとらしい声かけと、いやに怖い笑顔を見せながらあなたに何かを差し出します。
「いいところで会ったわ。なまえちゃんにいいもんあげる」
「……たい焼き無料交換券?」
一瞬戸惑ったあなたでしたが、素直に受けとりました。
魅力的な文字にあなたの表情は明るくなります。
「新しく出来たでしょー?すごく美味しいらしいわよ」
「そうなんですか!」
「食べに行ったら感想聞かせてね」
「はい!ありがとうございます!…………ありがとうございます……?」
あなたが無料券に落としていた視線を上げると、そこには満面の笑みのなびきとあなたに向かって差し出された右手。
それがどういう意味なのかは、なびきという人物を知っていればわかることでした。
「……おいくらで?」
「ふふ、話が早いわね。二枚100円でどう?たい焼きがひとつ150円だから安いもんでしょ」
抜け目のないなびきに、あなたは勝てる相手ではないと財布を取り出しました。
「毎度ありっ!」
笑顔で100円を受け取ったなびきは、その場を後にしました。
その後ろ姿を目で追うと知らない生徒へ声を掛けています。そしてあなたの手にある同じ色の券を差し出しているようでした。
next