ある日の放課後物語。
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あれから逃げるようにして右京の元を去ったあなた。
いつものように家への道を歩くのですが、その道中に目ぼしい人物の姿はありませんでした。
「右京のところにもどっちゃったかな……」
あなたがそう呟いた矢先。
「爆砕点穴ーー!!!」
叫び声と岩が砕ける音が耳に届きました。
音のした方を見ると、通りすぎた空き地から出てくる人物が。
「良牙くん!」
「……え?……あ、なまえさんっ!」
それはあなたの家へ向かっているはずの良牙でした。
あなたに気付いた良牙はとても嬉しそうな顔をしています。あなたは急いで駆け寄りました。
「おかえり、良牙くん」
「た、ただいまです。なまえさん」
あなたの笑顔を見た良牙は、顔を赤らめながら頭を掻きました。
「さっき右京から聞いたよ。私の家にご用なんでしょ?」
「は、はい!えっと……」
右京から聞いた内容を口にしたあなた。良牙は背負っていた大きなリュックを下ろして中をあさります。
そして目的のものを手にした良牙は、リュックに入れず手に下げていた紙袋と一緒にそれらをあなたに差し出しました。
「こ、これお土産ですっ!!」
「わ、こんなにたくさん…いいの?」
「全然いいです!むしろ受け取ってくださいっ!」
「…ありがとう!」
上下に激しく首を揺らして頷く良牙に、思わず笑みがこぼれるあなた。
受け取ろうと手を伸ばしたそのとき、あなたの指先が良牙の手に触れてしまいました。
「……っ!」
「あ、ごめんっ!」
「っ、あ、わっ、すみませんっっ!」
あなたの指が触れたことに驚いた良牙は条件反射で手を引いてしまいます。勢いよく引かれたその手から紙袋が離れていきますが、あなたはなんとかキャッチしました。
「良かった、良牙くんのお土産無事だよ」
「……は、はは、すみません……」
「いいって!私も触れちゃうって思わなかったし。驚かせてごめんね」
「いえ……」
突然の出来事とはいえ、手を引いてしまったことであなたに嫌な思いをさせてしまったのではいかと良牙は落ち込んでいます。
そんな良牙の様子にあなたはにこりと笑いました。
「いつもお土産ありがとう。すごく嬉しいよ」
「……本当ですか?」
「うん。だけどみんなに買ってくるの大変じゃない?」
「いえ……ここのところお土産はなまえさんにしか買ってませんから。…………あ、」
「……え?」
良牙の大胆発言にあなたは目を丸くしました。
一方の良牙は自分の言ったことに気付き、より一層顔を赤くして両手を空にさ迷わせたままあたふたしています。
「……や、えと、ですね。……その、あの、つまり、あー、その……何と言うか…………」
しどろもどろに発せられる言葉と耳まで赤く染めた良牙の姿に、あなたの胸が熱くなりました。
「……嬉しい。そうだといいなって、思ってたんだ」
「……え、」
あなたはにこりと笑いました。そんなあなたを見て良牙は再び頭をかき、俯きながら呟きます。
「……じゃあ、これからもなまえさんだけに贈ります。……なので、」
そこまで言うと良牙は赤い顔を上げて真剣な瞳であなたを見てこう言いました。
「俺の帰りを一番に迎えてください」
言いきった良牙にあなたは優しく
微笑みかけます。
「……はい」
受け入れられた返答に良牙は緊張の糸が途切れたようで、ぎゅっと拳を握りしめ喜びを噛み締めています。
そしてそれは声にも表れました。
「っしゃあああああ!!!」
涙を流しながら嬉しさを爆発させる良牙に、あなたははにかんだ笑顔を浮かべていますがその喜びは同じものです。
一番最初に「おかえり」を聞くこと。それは誰よりも先にあなたに会いたいと、帰る男の小さな幸せ。
END.
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良牙オチ!
一番長いのは良牙かもしれませんね。
あのあと「一番にお迎えするから頑張って帰ってきて」という言葉に「………努力します」と項垂れる良牙がいたら楽しいなぁと妄想(笑)