ある日の放課後物語。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ったく、あのスケベじじい…」
「いつも大変だね」
乱馬は八宝斎がいなくなった方を見ながら、ぶつくさ呟きました。
そんな乱馬にあなたは苦笑いをします。
「まーな……。でもなまえになんもなくて良かったぜ。ってかおめー、なんでこっち通ってんだ?いつも帰る道とちげーだろ?」
「こっちが少し近道だからね」
「ふーん……」
あなたの言葉に生返事をした乱馬は、何か考え事をしているようです。
「乱馬くん?」
「あ、わりぃわりぃ。なまえん家ってあっちだよな?」
「うん」
「……帰り、送ってく」
突然の申し出に驚いたあなた。
乱馬は頬をかきながら何か言いたげに口を開いては閉じ、開いては閉じを繰り返しています。
「えーと、ほら、またあのじじいが来たら大変だろ?」
「う、うん…」
「だから、その、用心棒になるっつーか……ええい!行くぞ!!」
言葉と同時に乱馬から手を掴まれたあなた。
乱馬はずんずんと前を歩いていき、手を掴まれたままのあなたも引っ張られるようにして歩きます。
表情こそ見えませんが、チラリと見えた乱馬の赤い耳に、あなたは自然と口元が緩みました。
「実はさ、この道、俺のトレーニングコースなんだ」
「そうなんだ」
「……な、なぁ」
乱馬は少し歩いたところで、足を止めて振り返りました。
「なに?」
「こっちが近道っつーなら、その、えと……明日からこっちの道、通らねぇか?」
先ほどと同じように頬をかく乱馬の様子に、あなたはにっこりと微笑みます。
好きな人と会えると思って近道を選んだのあなたでしたので、乱馬のお誘いは願ってもないことなのです。
「……いいよ」
そう答えてあなたは、乱馬に掴まれた手を握り返しました。
あなたの返答に乱馬も嬉しそうな顔をしています。おそらく乱馬もあなたと同じことを考えているのでしょう。
「そ、それに、この道だったらじじいだろーがなんだろーがすぐ助けてやれっしよ!」
「……ありがとう」
口早に言葉をつむぐ乱馬は、はにかんだ笑顔を見せています。
「え、えと、行こっか」
乱馬の言葉に再び歩き始め、あなたの家へ向かいます。
家へ帰るまでのこの時間が長く続いてほしいと思うのは、どうやらあなただけではないようです。
END.
-----------
乱馬オチ!
ヒロインちゃんは乱馬のトレーニングコースを知っているっていう設定で読んで頂けたら…(笑)