九能帯刀
夢小説設定
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※九能ちゃんが暴走してるだけの話です。
※主人公との絡みはありません。
※……なんか、すみません。
真夜中。
僕は今パソコンでネットサーフィンをしている。
調べものや思い付いたことを検索したりリンクをとんだりと始めは暇つぶしにすぎなかったのだが、毎日恒例となっている天道あかねのファンが運営しているサイトへの訪問がまだだと気付き、僕はブックマークから新しいタブを開いた。
今日の天道あかねについての記録を読む。
そして新しいリンクが貼ってあることに気付く。
「《夢小説》……?」
リンクにはそう書いてあった。
初めて見るその単語に僕はとてつもなく惹き付けられた。
夢小説とは?早速検索して意味を知る。
ふむふむなるほど……、くっ、くくくっ。はーっはっはっはっ!!!
高らかに笑いたい気分だったが真夜中なので心で盛大に笑ってやった。
ほほう。世の中には珍しいものがある。実に興味深い!
名前を変えられる小説とはなかなかいいシステムではないか。
僕は試しに名前変換のところに《九能帯刀》と入力し、管理人が載せたであろう天道あかねの小説《その1》をクリックしてみた。
ーーーーー
あたし、天道あかね!
今日うっかり寝坊しちゃって学校に遅刻しそうなの!
「いっけなーい!遅刻遅刻!」
あそこの角を曲がったら学校はもうすぐーーー!
「きゃっ!」
「わっ!」
「いててててて…いったぁ~い!」
角を曲がろうとしたら誰かにぶつかって尻もちついちゃった!
もうなんなのー!お尻いたぁ~いっ(涙)
「ごめんね、大丈夫?」
「痛いわよ!大丈夫なわけ……っ!」
ドッキーン☆
顔をあげるとそこには学校一イケメンの九能帯刀くんが。
え!え!あたし九能帯刀くんにぶつかっちゃったのーー!?!?
「どうかした?」
「ど、どうもしてません!ぶつかってすみませんでした!」
「僕の方こそ前をよく見てなかったからごめんね」
や、やだ~!あたしってば九能帯刀くんとお話してる……。
はっ!あたしってばいつまで座ってるの!は、恥ずかしい~!
そんなあたしの気持ちを察してなのかな、九能帯刀くんがそっと手を差し伸べてくれたの。紳士的できゅんっ!
「腰が抜けちゃった?僕がおんぶしてあげるよ」
「え!あ、あたし重いし……!」
「君が倒れたのは僕のせいだから、させてくれないかな?」
爽やかに笑う九能帯刀くんの言葉にあたしは頷くことしか出来なくて…。
学校一イケメンの九能帯刀くんにおんぶされるなんて…九能帯刀くんいい匂いだなぁ。
どうしよう。胸がドキドキしちゃう!ち、違うの、あかね!これはただ緊張してるだけ!
これがあたしが九能帯刀くんに恋に落ちた瞬間!
誰にも言わない私だけのヒ・ミ・ツ☆
ーーーーー
かはぁっ!!!!!!
て、て、天道あかねえええええええええ!!!!!!!!!
そ、そうか!き、君はこの瞬間僕に恋し始めたのか……っ!
くっ……なんと感慨深いのだ……。はぁ、はぁ……はぁ……。
ゆ、夢小説、侮れん……。僕と天道あかねの小説を読めると理解はしたがここまでだったとは……っ!
たかが小説と思っていたが……なんだ?この、胸の奥が熱くなるような気持ちは……!
「しかし天道あかねは僕のことを《九能帯刀くん》などと呼んではいない……」
思わず声に出てしまった。
いやしかし、かなりの重要ポイントだ。
先ほどの名前変換をフルネームにしたのは間違いだったか。
しかし九能だけ入れたとしても変換後は《九能くん》になり、リアリティに欠ける……いやいやこの小説が仮に同級生という設定だったとすれば《九能くん》呼びは逆にとても新鮮なのでは!?
絶対なり得ない同級生に小説上でもなれるとは、なんと素晴らしい……!
……と、すると、だ。
このサイトの管理人が小説を載せることで今までより何倍もいろんな妄想が出来るのか!!!
それも天道あかねだけでなく、おさげの女とも、愛しきなまえみょうじとも!
なんたる新境地!夢小説万歳!!!!!
新たな悦びを知った僕はこの天道あかねの夢小説を書いた管理人に思いの丈を綴った。
天道あかねファンクラブ会長として当然の義務であるととともに一ファンとしての悦びを分かち合いたかったのだ。
「……そして愛しきなまえみょうじやおさげの女の小説も読んでみたいものだ。……と。これでよし」
無事に送信して僕は鼻唄を歌いながら、もう一度小説その1を読もうとリンクを押した。
さぁて天道あかねともう一度角でぶつかるとするか!
その頃。
「僕の小説を読んでくれた人から感想がきた……!」
サイトをいじっていると書き込みがされていることに気付いて僕はいただいた感想を早速読んだ。
ーーーーー天道あかねの夢小説その1を読ませていただいた。
実に良かった。天道あかねと僕の恋物語をこうして文字に起こしてくれるなどとても好ましい。僕には思い付きもしなかった。
管理人、君はなんて素晴らしいことをしているのだろうか。
同じファンクラブの一員としてもとても鼻が高い。
そして君の腕を見込んで頼みがある。天道あかねとの小説をこれからも書いてほしい。
そして愛しきなまえみょうじやおさげの女の小説も読んでみたいものだ。
よろしく頼む。
天道あかねファンクラブ会長、九能帯刀。
「っっはぁ!?!?」
九能先輩直々の書きこみ!?え、えええええ……!?
ちょっとチビりそうになるくらいびっくりした書き込みだった。
九能先輩がサイトに来ているだろうなぁって自覚はあったけど、感想がくるとか!くるとかーーーっ!!
だ、だけど僕の妄想が天道さんのファンクラブ会長に認められたってことだよね!?
そしてみょうじさんの小説も!?九能先輩、僕がみょうじさんのことも気になってるって知っているのかな……ま、まさかね……!
こ、これからも頑張るぞぉ~!
END.
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サイトの管理人は五寸釘くんです。
ごめんなさい、どういうノリでしょうね……笑
九能ちゃん名前変換好きそうだなぁと思って執筆したのですが、は、ははは。
需要があれば続きを検討します。