中編:遠回りの恋心。
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「ねぇなまえ、聞きたいことがあるんだけど」
ムースと水族館に行ってから数日。
いつものように教室でお昼のお弁当を開いたときだった。机をはさんで一緒にお弁当のふたを開けたあかねが口を開く。
「なぁに?」
「なまえとムースって付き合っているの?」
ぶはぁっ。
飲んでいた牛乳を吹き出したのは、隣で話を聞いていた乱馬だった。
「っ、何言ってんだあかね。ムースはシャンプーが好きなんだろ?」
「そうだけど、最近ムースと出掛けてるみたいだし、一緒にいるの何度か見かけたことあるし……付き合ってるのかなぁって思って」
「そうなのか?なまえ」
「え、うん……まぁ」
歯切れの悪いなまえに二人は首をかしげた。見られていたのか。別にこそこそすることではないけれど。
でも、最近良く出掛けているのは、合っている。しかし付き合ってはいない。
実はね……、なまえはことの成り行きを説明した。話を聞いていた乱馬とあかねはなるほど、と納得をしている。
「確かにムースのやつ、よくデートに誘ってっからな~。そのしわ寄せはなまえにきてた、って訳か」
「しわ寄せじゃないと思うけど……」
まぁ、そんな訳で付き合ってないからね。
ははっ、と軽いノリで交わしたつもりだったが、あかねの一言で今までの考えが変わる。
「こう言ったら失礼にはなると思うけどさ、―――、」
「……そー言われりゃそーだよな。まぁムースが何考えてっかわかんねーけどよ」
確かにそうだ。
シャンプーが断って行けなかったとしても、別に私を誘ってまで行かなくてもいいのではないのだろうか。
ムースがそこが好きだから行きたいなら一人でもかまわないだろうし。しかし行くところ行くところ被ることはなく、女の子が好きそうなスポットや映画だったりする。
一人で行くには男の子からすると恥ずかしいだろう。
それとも意外なことにムースの思考は乙女なのか?と考えたが、それはないと確信できる。
じゃあ何で?
私じゃなくても――行くかはわからないけど――あかねとか、右京とか、それこそ顔は悪くないんだから、猫飯店に来るお客さんを誘ってもいいのではないのか?
考えても謎は深まるばかりで、答えなど見つからない。
だからと言って今更彼に聞けるわけもない。
「もったいないからってなまえを誘わなくたっていいんじゃない?」
to be continued...