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「時間経つの早いね~」
もっと食べたかったなぁ、となまえ。
名残惜しそうにカフェを見つめるなまえにまた来よう、とムースは声をかけた。
嬉しそうに笑うなまえにムースは何が一番うまかったか、と聞いてみる。
「一つには絞れないなぁ……」
バームクーヘンに、マカロンに、ティラミス……と数えきれないほどたくさんのスイーツの名前が挙がる。
「あ、ねぇ、スイーツの名前でしりとりできるんじゃない?ショートケーキ、木苺のタルト、みたいに」
「そうじゃの、しかしスイーツの名前じゃ限りがあるぞ」
「ま、確かに」
カフェをあとに、今度はムースが行きたいと話をしていた店へと向かう。
気持ちのよい風が二人の間をすり抜けていく。
「……ねぇ。ひとつだけ、しりとりの続き、していい?」
「なんじゃ?」
まっすぐ前を向くなまえを見ることなく、近づいてくる自転車を避けるようになまえを自分の方へ寄せた。
「 」
「な?」
チリリン。
二人の横を通った後、自転車のベルが後ろで鳴った。
「……おらもしりとりに便乗していいか?」
わざと小さい声で言ったのに、ムースには届いていたようだ。なまえを抱き寄せたままのムースは、周りを確認すると顔を覗き込む。
しりとりの言葉は言わなくてもわかるだろ、と真っ直ぐな瞳が伝える。
「え、まさか。ちょ、ムース……!」
唇が一度触れる。離れたかと思うと、再び重なる。なまえの言葉に応えるように何度も、何度も。
「嬉しいことしてくれたの、なまえ」
再び顔を覗き込むムースの顔は、いつも見せる少し悪戯じみた笑顔だった。
「……っ、こ、こんな道端で!」
赤くなった顔を見て、ムースは一段と笑顔になる。
こんな顔を見れるのは自分だけ。こんな顔にさせるのも自分だけ。
「しりとりも、たまにはいいもんじゃのぅ」
「もう、しない!」
「おらはまたしたいだ」
「……いつか、ね」
どちらからともなく手をつなぐ。小さく呟かれた肯定ととれる言葉を聞いて、繋いだ手に力が入る。
なまえもまた、ムースに応えるようぎゅ、と力を込めた。
「ムース、好き」
そんな君のしりとりには、"キス"を捧げよう。
END.