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「スイーツバイキング、のぅ」
いざ、休日になってチケットに書かれているカフェを目指す。
貰ったその日に連絡をすると、二つ返事で了解を得た。ムースもその情報を知っていたようで、なまえからお誘いがなければ自分から誘うところだった、と話した。
そんな些細なことなのに、お互いの気持ちが繋がっているのをうれしくおもう。
「ムースは甘いもの平気?」
「ん~得意かと聞かれれば得意ではない。しいて言うなら甘いものを食べておるときのなまえを見るのが好きじゃな」
「な、何言って……!」
「くくっ。本当、見てて飽きん奴じゃの、なまえは」
ぽん、と頭に手を置く。
そうこうしている内にカフェへと到着し、中へと案内される。休日だからか、たくさんのカップルたちで賑わっていた。
「変じゃの……」
「何が?」
席へと案内され、カフェの中央にあるスイーツが乗ったバイキングテーブルを見てムースはポツリと呟いた。
「ただのスイーツバイキングなら家族連れがいてもおかしくない。じゃが、子供もおらんが女だけできている様子もない」
「言われてみれば……」
同じように店内を見渡すと、確かに、最近はやりの女子会のような光景も見当たらない。
男女が均一に集まっている。席に案内したスタッフはそんな二人の様子を見てこう教えてくれた。
「今日のスイーツバイキングはカップル限定で案内をしているんですよ」
チケットにも、ほら。と、入り口で渡したチケットをスタッフは見せてくれた。
そこには小さく“※カップル限定!”の文字が。成る程、と納得をした二人を見て、スタッフは新たに来た客の応対をしに再び入口へと戻った。
「まぁカップル限定ということなら男も気兼ねなく甘いもんを楽しめるのぅ」
「さっそく取りに行こうよ!」
色鮮やかなスイーツはどれも見るだけで美味しさが伝わってきそうなほど、丁寧に、繊細に作られていた。
あれも、これも、と迷いながら選ぶ彼女を見てムースの頬は自然と緩む。
「なまえ……それはちと取りすぎではないか?」
「そんなことないって、いけるよ!」
いったん席へと戻ると、ムースはひしめくケーキたちに口が開く。
ムースの皿にはシンプルなチーズケーキやアップルパイが乗っているが、なまえの皿には所狭しとケーキやプリンなどが並んでいる。
甘いものは別腹。女の子たちがそんなことを話しているのを聞いたことはあるが……目の当たりにすると結構驚くものだ。
そんなことを考えているムースには気づかず、フォークを進めていくなまえ。
彼女がショートケーキを口にした時、ムースははっとする。
こ、これは誰もが一度は夢見るシーン……!
『ここにクリームがついてるだ』
『あら、どこ?』
『ここじゃ、』
そう言っておらは、人差し指ですくってそれを舐める。
いや、理想はご飯粒なんじゃが、この際何でも構わん!そして、言うならおらじゃのぅてなまえにされたいだ。い、いやこの際この甘い雰囲気だけで満足じゃ!
……なんて、甘い妄想を考えるムースになまえは声をかける。
「ムース、これおいしいよ、食べてみない?」
「ぬ?なんじゃ?」
渡されたカップを取って、スプーンで一口。口の中にはフルーツの酸味を活かしながらも、甘い味が広がる。
「ほぅ、これはうまいな……なまえ?」
「ムースがいちごムース食べてる……」
ぷぷーっ、と口元を押さえて笑うなまえに更に追い打ちをかけるかのように、共食いよー!なんて言われてしまう。
「だ、誰が共食いじゃ!!!」
あぁ……なまえはそういうやつじゃった。しかし楽しげに笑うなまえにつられて笑ってしまう。
それからまた会話を楽しみながらいろんな味のスイーツを堪能する。
だが、いくらバイキングとは言えど、時間制限が90分と決まっているため、楽しい時間もあっという間だ。