ヤンデレ。
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「あら、良牙くん」
「こんにちは、あかねさん。おかえり、なまえ」
「………、」
下校時間になると俺は元の姿に戻り、なんとか迷いながらも校門へたどり着き、なまえを待つ。
ほどなくして馴染みの三人がやってきた。
乱馬が鋭い眼孔で睨み付けてくるが気にしない。
「良牙くんたら、本当になまえが好きなのね」
「い、いやぁ……、」
あかねさんにそう言われるとついこそばゆくなる。
だが好きなのは誰もが知っている事実。否定なんか微塵もしない。
あかねさんと軽く話をしてなまえの手を握りあかねさんと乱馬から離れ、なまえの家に向かおうと足を踏み出した。
「おい良牙」
「……なんだ」
いつもよりやけに低い乱馬の声に足を止め、振り返る。
俺となまえの二人の時間を邪魔すんじゃねー。
「なまえに嫌な思いさせてねーだろうな」
「何言ってるのよ、良牙くんがそんなことするわけないでしょ」
「フン、あかねさんの言う通りだ」
何を言うかと思えば。藪から棒になんと人聞きの悪いことを言いやがる。
俺が口を開く前にあかねさんが反論してくれていて、続くように俺は頷いた。
なまえに嫌な思いなんて、させるはずもない。なぁ、そうだろ。
ちらりとなまえを見ると目があった。一瞬小さな肩がぴくりと揺れたような気がした。
「……、だ、大丈夫だよ、乱馬くん。嫌な思いなんてしてないから」
「ほら、なまえだってそう言ってるじゃない。ばかね、乱馬は」
「……そう、かよ……、」
あかねさんがなまえの言葉を聞いて乱馬にくってかかった。それでも乱馬はまた何か言いたげな顔をしていた。
眉を寄せて考え込むようになまえを見つめる。
……必要以上になまえを見るんじゃねぇ。お前のではない、俺のなまえなんだぞ。
は、いかん。これ以上きさまになんざ構っとる時間はない。なまえとの時間がなくなってしまう。
俺は半ば強引に話を纏めるとなまえの手を引き、彼女の家へ向かった。帰り道は特に会話もなくあっという間に時間は過ぎていって。
なまえと手を繋いでいたからか、迷うことなく家についた。
なまえの家には誰もいない。両親はそれぞれ出張の多い仕事らしく、未だ顔を合わせたことはないのだ。
それをいいことに俺はここ最近毎日のように居座り続けている。半居候状態とでも言うのか。
玄関の扉がバタンッと音を立てた。
外の喧騒から隔離されたように家の中はしんと静まり返っている。
無音の中聞こえるのは俺となまえの息遣いだけ。
あぁ、やっと二人きりになれたんだな。
「なまえ……っ、」
繋いでいた手を引き寄せ、なまえを強く抱き締めた。
早く、早く。一刻も早くこうしたかった。
ブタの姿で抱かれるのもいいが、やはりこっちの方が断然いい。
首筋に鼻を埋め、なまえの匂いを肺いっぱいに取り入れた。
人間の姿は自由があって本当にいいもんだ。
仮に誰かがなまえに触れようとしても阻止できる。校門で乱馬が突っかかってきたときのように振り払うことも出来る。
それに意図も簡単に自分の方へなまえを抱き寄せることだって出来る。
水に気をつけて豚の姿にならんでもいいではないかと言われるかもしれないが、ブタにはブタなりの利点があるのだ。
なまえの学校での生活に生徒でもない俺がなまえの周りをうろついていると怪しまれるのは必須。彼氏であろうとボディーガードだと主張しようと、教員にとやかく言われるのは目に見えている。
しかしその点豚の姿であればなまえが何処に行こうがずっと側にいられる。ロッカーの棚に、バッグの中に、足元に。どこにでもくっついてなまえをずっと見ていられる。
それに俺は《ペットのPちゃん》としての立ち位置が確立されているため、怪しむどころか誰もが、皆が俺を歓迎してくれる。
……いや。アイツーー乱馬を除いては。
アイツの勘はいい。
俺たちのことを何やら怪しく勘ぐっているようで、何か嗅ぎ付けたような口ぶりをしてきた。
昼間の中庭でも、なまえを迎えに行った帰りも、その核心に触れたかったのだろうか。
……いや、そんなことはわからない。わかったとしても交わす手立てはいくらでもある。それに触れたところでどうする?お前になまえはやらない。
だが昼間のようなことはーー絶対に許せない。その光景が走馬灯のように蘇る。
なまえの手が俺以外の手に、アイツに、乱馬に触れたのだ。
昼間の出来事を思い出し、俺は怒りでわなわなと震えるのがわかった。
大人しく俺に抱かれていたなまえだったが、俺はべりっと体を引き剥がし、再びその小さな手を握った。
強く、離すものかと。
なまえは俺のものだ、と。
靴を脱ぎ捨て玄関を上がり、引き摺るように彼女の手を引いたまま、壁の目印を頼りになまえの部屋へ向かった。
バンと荒々しくドアを開けると、握っていた手をベッドへ放った。
「わ、ぁっ!」
驚いた声を出してなまえは体制を崩し、仰向けにベッドへ沈んだ。
間髪入れずに俺は仰向けの状態のなまえに覆い被さりその両手首を掴むと、四つん這いになってなまえを見下ろす。
カーテンを閉めきった薄暗い部屋でもわかるほど、なまえの瞳がかたかたと揺れていた。
その瞳を見て昼間の出来事がまた、駆け巡る。
気になったのは、あの会話からだ。
『ケンカじゃないなら、他に何かあったの?』
『ーーっ、』
『なまえ?』
『あ、あのね……っ、』
「……あかねさんに、何を言おうとした?」
「……っ、」
じっと目を見つめてそう問いた。視線は絡み合ったまま。だが返事は返ってこない。
昼休みの出来事、忘れるわけがないだろう。
あかねさんとの会話のあと、乱馬とのやりとりは特に。
俺は忘れもしない。
『ーーってぇ!』
『乱馬くん!大丈夫……!?』
『くそ、良牙てめぇ……!』
『これ、使って』
『悪ぃ。サンキュー、なまえ。……なまえ?』
制服のポケットから絆創膏を取り出して乱馬の手にそれを貼り付けた。俺は間近で見た。
乱馬の手になまえの手が触れた事実。
俺以外の男に触ったのだ、俺の目の前で。
忘れようにも数時間前のこと、忘れられるはずがない、お前だってそうだろう?
「答えろ!」
いくら待っても返ってこない返事に怒りが頂点に達した。ビリビリと自分の鼓膜にも響くほどデカイ声がでた。
と、同時に右手が勝手に動いて衝撃と共に一瞬にして手のひらが熱を持った。
じんじんと熱くなる。パンッと乾いた音が一緒に聞こえたが、何だ?
赤くなった右の手のひらを俺は見つめたが、よくわからない。しかし理解するつもりもない。
俺はそのままその右手でなまえの頬を包み優しく撫でた。
……ん…………?
お前の頬も俺の右手と同じように熱いじゃないか、どうしたんだ、なまえ。
俺の疑問はなまえに届くことなく消えた。
「ーーっ、……な、何も、ないよ……?迷子になりそうになったくらいって、言ったの聞いてたでしょ……?」
「……そうだな。そうだが……」
弱々しく言葉を綴るなまえの声に耳を傾けた。
そうだ、昼間の話だった。確かにその後そんな話をしていたな。
しかし、本当はどうだか。
撫でていた手を止めると俺はなまえの耳元へ顔を近付けた。
そして忘れもしない事実を伝える。
「……乱馬に、触れたな」
「……っ!……あれは、良牙が乱馬くんを噛むから……っ、」
「……ほー、俺のせいか」
顔を首もとへ下げるとなまえの匂いが立ち込めるその首筋をべろりと舐めた。
俺が乱馬を傷付けたから、乱馬に触れた。
ということは原因は俺なのか、俺が悪いのか?なぁそうなのか?
俺となまえの至福のときを奪ったのはアイツなのに?
あのときのふつふつとわき出る怒りが再び込み上げてきた。
俺のなまえ。俺以外の男に触れられたくない。触れさせたくない。
なのになぜ自分から触れるようなことしたんだ。
やはり俺のせいなのか?
なまえ、こんな話は今回が初めてではないだろ?あれほど再三言い聞かせていたのに、どうしてあんなことしてくれたんだ。
仮に俺があの場にいなかったら、どうなっていた?誰がアイツを止めた?
他の男に触れた事実を隠して偽りのなまえでいようとしたのか?
なぁ……なまえ、このやり場のない怒りを俺はどこへ向ければいいんだ……っ!
あのときの情景がまた頭をよぎった。
なまえが俺以外の男に触れて、はらわたが煮えくり返るほど腹が立って、乱馬に噛みついてやった。
「痛っ、!」
ガリ、と皮膚に牙を突き立てて。怒りのままに。
俺の八重歯はかなり鋭い。そうして牙を食い込ませると口の中に鉄の味が広がったな。
あの時も、今も。
いま、も……?
ハッと俺は我に返った。
口の中にじんわりと広がる血の味に嘘だ、ウソだ、うそだ、と気が動転する。
反射的に俺は体を起こした。
目の前には愛しくてたまらないなまえがいるというのに、その姿に愕然として頭から一気に血の気が引くのがわかった。
……あぁ、まただ。また、やってしまった……。なんでだ、どうして、どうして繰り返してしまうんだ……。
「っ、なまえ……!すまない……っ!」
謝っても許される訳がないというのに、、、
我に返った俺の目に映る光景。
それはベッドの上で仰向けになり、左頬は赤く腫れ、首筋には血が滲み、瞳には涙をいっぱい浮かべて必死に堪えるなまえの姿だった。
きつく握られていたであろう両手首には、赤く大きな手と指の痕。
その手の主は紛れもなく……俺なんだろう。
俺は自分が引き起こした出来事を目の当たりにして声も出なかった。
右の拳を硬くギュッと握ると容赦なく自分の右頬を殴った。
ーー痛い。
爆砕点穴で鍛えた右腕だ。指先だけでなく指先に見合うだけの筋力もある。
自分の力量は自分が一番わかっているはず。守りたいと決めた大切な人がいるというのにーーその拳で俺は大事な彼女を、なまえを傷つけてしまった。
痛かった、だろうに。
頬も、手首も、首筋も、…………心も。
なまえが俺に感じた計り知れない恐怖と痛みを想像して、俺は奥歯をギリっと噛み締めた。
最低だ。最低なクズ野郎だ、俺は。
暴力で物言わせるなど最低なヤツがすることだ。
いてもたってもいられず、俺はなまえをゆっくり起こすとたまらず抱きしめた。
壊れ物を扱うように優しく、それでいて強く。
「すまない……すまない、なまえ……」
「……だ、い……丈夫、だよ」
「二度としないと決めたというのに……また、こんなことを……、」
「大丈夫だから……ごめんね、私が約束を破ってしまったから……、」
違う、違うんだなまえ。悪いのは全て俺だ。俺なんだよ。
ぎゅっ、と震えるその肩と小さな背中を今一度強く抱き締めた。
ほどなくしてなまえの涙が堰をきり、俺の背中に弱々しく回っていた手がぎゅっと俺の洋服を握った。
小刻みに揺れる肩と時折漏れる嗚咽まじりの声に、俺はただただ申し訳なさを募らせるだけで悔しくてたまらなかった。
……怖かったよな、苦しかった、よな、、
本当にすまない。俺だってこんなことしないって約束したのに。
もう二度と傷付けないと暴力をふるわないと、誓ったのに。
「すま、ない……」
「……大丈夫、だよ、私こそごめんね……」
俺は再びなまえの首筋に唇を寄せると、新たに刻んでしまった真新しい傷口をぺろりと舐めた。
また鉄の味を感じざるをえない。
唇を離すとぼろぼろと零れる涙を親指で拭って、今度は熱を持った頬に唇を寄せた。
……これが最後。なまえを傷付けるのは二度とごめんだ。
ゆっくりと離れ、俺は首筋に付けてしまった傷と、晴れ上がった左頬を目に焼き付けた。
こんなツラい思いをもうさせるものか。響良牙、男に二言はないだろう?
「なまえ……もう、こんなことはしない」
「…………、」
「絶対、だ」
俺が双眸を見つめてそう言うとなまえは眉を寄せて小さくコクリと頷いた。
俺はなまえの赤く腫れた頬を包み込み、これが最後、と唇を重ねて伝えた。
何度も最後、さいご、サイゴと気持ちを刻み込むように角度を変えてはなまえのその柔らかい唇を食んだ。
彼女なら俺の真意を読み取ってくれるはず。そう勝手に思いながら唇越しに伝わるなまえの熱にクラクラする。
そしてゾクリと俺の中で沸き上がるものを感じた。
ーー俺のなまえ。やはり誰にも触れさせたくない。
お前も約束を破らないでくれ。
俺以外の男に触れないと。俺以外の男に触れられないよう、に。
俺もこれが最後。もう傷つけはしないからーー。
《最後》と決めてこれで何度目になるのか、良牙は気付いていない。
自覚しきれないほどの暴力とそれにまさる愛憎。
好きなあまり嫉妬に耐えきれず暴力を重ね、自分のせいで涙を流す姿に罪悪感を感じ、心のどこかでは優越感に浸っている。
彼女には俺しかいないと、柔らかい肌に自分の牙を刻み込み……。
「なまえ、愛してる……、」
「……わたし、も……」
制服で隠れている数えきれないほどの痛々しい傷痕を抱えたなまえの背中をーー良牙はまた優しく抱きしめた。
付き合いたての頃に見ていた無邪気で優しい笑顔の良牙にはもう会えないのだとなまえは心で涙し、大きな背中に再び腕を回す。
わたしには、あなたしかいない。
あなたの愛を受け止められる人は恐らくわたし以外にはいないでしょう。
逃げ出すつもりも振りほどくこともしない。
もう誰にもこのことを、暴力と狂った愛で繋がる関係を打ち明けることもない。
あなたがそう望むのなら。
だから堕ちるなら私も一緒にーーーー。
「っくそ、良牙のヤロー……」
帰宅した乱馬は天道家の道場で手に施された絆創膏を剥がした。
引っ掻き傷とは違い、故意に作られた二つの傷痕は痛々しく、存在感のあるものだった。
「どうしたの?乱馬、その傷」
「あー、ちょっとな」
「ふーん?」
あかねが乱馬の手を覗き混むと、痛々しい傷痕にぎょっと眉を寄せた。
いつの間にこんな怪我したんだろ?
そう考えても相手はいつも誰かしらとケンカをしている乱馬なのだ。いつもなら、さほど気にも留めない。
だけどあかねはこの傷痕に見覚えがあった。
「……あれ?その痕どこかで……、」
「なんでい」
あかねの訝しげな発言に乱馬は耳を傾ける。うーーーーんと唸りながらあかねは顎に手を添えて悩みに悩んだ末、はっと思い出した。
この痕、なまえの首元にあったのと似てる気がするーー。
「……え?」
「だけどなまえは虫に刺されたって言ってたから、やっぱり違うわね」
乱馬はあかねの言葉に息をつまらせた。
俺の手を噛んだ痕と同じものがなまえの首にあるとすれば、それは良牙の仕業でいて、、、良牙を見ると顔色を伺うような素振りを見せるなまえはやっぱりーー。
ーーDVを受けているんじゃねぇかって。
それは乱馬の中で疑いが確信に変わった瞬間だった。
前々から気になっていた。
良牙の異常なまでのなまえへの干渉っぷりに。
明るかったなまえの口数が減ったことや、ぎこちない態度の数々にも。
以前、体育の授業の前に女子更衣室に行かず、女子トイレに着替えを持ち込んでいる姿を見たこともあった。
別に変なことではないが、なぜかそのときは妙にひっかかった。
修業にも行かず豚の姿で校内や教室のロッカーの棚に居座り続ける良牙。
片時も離れたくないという気持ちの反面、それはまるでなまえを監視しているようにも見えた。
アイツら絶対何かある。それも悪い方にこじれちまってる。
だから今日、あかねになまえと二人で話をしてこいと教室からほっぽりだしたのだ。
話の内容はもちろん良牙となまえのことについて。
しかしPすけ(良牙)まで付いてきやがったから、適当な理由をつけて良牙を離し、自ら聞き出そうとしたが結局は失敗してしまった。
帰り道になんで良牙となまえのこと話してこいなんて言ったのか、二人はラブラブじゃない、ねぇ何でよ、と散々あかねに聞かれたが、てきとーに返していた。
というか確信が持てずにあやふやにしていた。
ーーが。やっぱり、そうだったのか。
「ねぇ乱馬!聞いてるの?」
あかねの声で思考が止まった。
「ぼーっとして、どうしたの?しっかりしなさいよ」
「……うっせーな、わぁーってるよ!」
立ち上がり、後ろを振り向くと道場の出入り口へ足を向けた。
ドスドスと鳴る足音と心の昂りがリンクする。
この胸クソ悪ぃ気持ち、どうにかしてぇ……!
「あ!ちょっと!どこにいくのよ、乱馬!絆創膏はらないのー!?」
あかねの声を後ろに聞きながら道場をでるとむしゃくしゃしたまま道場の裏へ回った。
あかねは知らない方がいい。あかねが気付いてしまうと良牙がどう出るか、なまえがどうなるか、あかねの態度と発言ひとつで状況が変わるかもしれない。
なにより、この苦しみを背負わせたくない。
けどよ、このやり場のない気持ちおさまんねぇよ。
『……大丈夫だよ、乱馬くん。嫌な思いなんてしてないから』
嘘じゃねぇか、なまえ。無理してんじゃねぇか。
おめー良牙に泣かされるようなことされてんじゃねーか。きっと俺が知らないことだってもっとたくさん、、、
干渉されて、監視されて、傷付けられてーーーーーー。
……だけど、どうすりゃいいんだ。今の俺にはどうもしてやれねぇ……!
昼間の反応からすれば、俺が関わることでこうしてる間にもなまえに何かしらの被害がいってんのかもしれねぇ。
「……っ、くそっ!」
乱馬は壁に拳をぶつけた。
自分じゃあの二人をどうすることも出来ないのだ。いざとなれば良牙からなまえを奪うことだって出来る。
だがなまえは良牙を嫌いになったのではない。それをわかっていて引き剥がすのは果たして本当に彼女のためになるのだろうか?
乱馬はうなだれるようにその場にしゃがみこんだ。
「なまえ……、」
明るく微笑んでいた朗らかな彼女の姿が思い浮かぶ。と同時に昼間、中庭で見た手が触れたときの震える瞳が頭から離れない。
乱馬の中に自分の無力さと歯痒さにどうすることも出来ないもどかしさが募る。
どうか、どうか、と彼女の無事を案ずることしか今の乱馬には出来ないのだった。
END.
唯一良牙のDVに気づいている乱馬くん。
彼女に好意を持っているからこその苦しみ、みたいな…。
そしてぬるいDVですみません。
DVは婚姻関係のみの表現だそうで、恋人だとデートDVと言うそうです!