負けられない闘い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
数週間前。
良牙が道場を訪ねた際、二人は決着をつけようと言い出した。あの二人はなまえが好きなのだ。
あかねは乱馬に視線を向ける。
始めは親の決めた許婚に納得がいかなかったが、自分でも乱馬に惹かれているのがわかる。自分が彼を好いていると気付いたとき、彼の気持ちにも気付いてしまった。
乱馬はなまえが好きだ。
一方の良牙は、なまえの話をする度に嬉しそうな表情をするため、何と無く好きなんだ、と思っていた。そして決着の話を偶然聞いてしまったそのとき、良牙の気持ちにも核心を持てた。
この決闘に負けた者はなまえから手を引く。そう二人は交わしていた。
多少無茶苦茶な気もするが、喧嘩というものは些細なことから始まるのだ。男とはわからない。
正直言うと、今回ばかりは良牙に勝って欲しい。でも簡単に引き下がらないのが乱馬だ。好きになってしまったものは仕様がない。多分乱馬も、心のどこかでは勝てないと思っているのではないだろうか。
だってなまえと良牙くんは、
あかねが一人思い耽っていると、いつの間にか喧嘩は始まっていた。
「爆砕点穴っ!」
「おーっと!くらえ、猛虎高飛車っ!」
負けられない闘い。徐々にそれは加速度を増していく。
二人が織り成す技の数々で、校庭も所々穴が出来ていた。
「なまえは渡さねぇ!」
「それはこっちの台詞だっ!」
ビュッ、と良牙の拳が乱馬の頬を掠ると、乱馬は螺旋のステップを始めた。このまま上手くいけば、飛龍昇天破を打てる。
良牙は気付いているのかわからない。チラリ、となまえを盗み見た。
なまえが良牙を好きなのは知っている。
この勝負、勝ってもなまえが自分を向いてくれなきゃ意味がない。
そんなのわかっている。でもそう安々と諦めきれない。
俺はなまえが好きだ。
「何よそ見してやがるっ!」
「っ!」
一発、鳩尾に拳が入った。あと少し、というところでステップを止められた。
なまえに気を取られていたからか……?
「くっ…」
「よそ見する余裕があるんだな、お前は」
「……良、牙…?」
「俺は……この勝負に負けたら……二度とこの町には戻らない。なまえさんにも会わない」
「な、」
「その覚悟で来たんだ」
わなわなと、良牙の肩が震える。
「ちょっと、どういうことなの!?」
いつもと違う決闘の雰囲気に、たまらずなまえは声をあげた。この勝負に良牙が負けたら二度と会えない?どういうことか、理解できない。
普段の決闘とは様子が違う、白熱した闘いになまえは気が気じゃなかった。
「まだ聞かないでくれ、なまえさん。これは男と男の喧嘩なんだ」
「……そうだぜっ、なまえ。良牙……お前の覚悟は良くわかった。いくぜっ!」