負けられない闘い
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拝啓、なまえさん。
お元気でお過ごしでしょうか。
俺は今長野の山で修行をしている。先日鹿に手紙を食べられそうになった。まったく、長野というところは……。
「……近々訪ねます、か」
自然と口元が緩んだ。良牙が帰ってくる。
なまえは手紙を封筒に戻し、手紙と一緒にやってきた小包に目を向けた。
「奈良漬け……奈良にいるんだ」
早く帰ってこないだろうか。しかし、帰ってきたら彼はきっとあかねに夢中なんだと思うと切なくなる。
でもこうやってお土産を送ってくれるということは、少なくとも嫌われてはいないのだろう。嬉しい反面、複雑だ。
なまえは小さく息を吐いた。
それから数日して、乱馬から良牙が帰ってきた。と教えてもらった。乱馬には、いつの間にかなまえの気持ちはバレていたのだ。
「今から校庭で良牙とやり合うんだけど、おめーもこねーか?」
「決闘?」
「……あぁ、」
ホラ、行くぞっ。乱馬はなまえの手を引いて、校庭へと急いだ。
賑やかな声が沢山聞こえてくる。校庭の周りには大勢の見物客が。それぞれが思い思いに話す話題には"乱馬"、"良牙"、そして"なまえ"の名前が必ず出ていた。
「すごい数……」
「乱馬だ!」
「乱馬が来たぞー!」
「なまえも一緒だぞ!」
乱馬はやはり目立つ存在で、校庭に着いた途端にわっと賑やかさが増す。
「待たせたな良牙っ!」
「貴様!あかねさんがいながら、なまえさんにまで手を出すとはっ!その手をどけろっ!許せん!」
「……何のこと?」
「そりゃおめーも同じだろうが!どっちかはっきりしやがれ!」
乱馬は片手でなまえの腰をぎゅっと抱くと、もう片方の腕を良牙に向けた。びっ、と人差し指を立てて。
話についていけないなまえは、乱馬の腕が緩んだ隙にあかねの元へ走った。
「あかね、どういうことか知ってる?」
「さーね……ただの喧嘩じゃない?」
あかねは意味深な笑顔を浮かべた。この決闘の理由をあかねは知っている。