初恋。
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よくよく聞いてみると、みょうじの話では大事なのは生徒手帳ではなく、生徒手帳に入れている中身だそうだ。
まさか校長信者か!?と内心思っていたため、少し安心した。(いや、かなり安心した)
話は続き、学校帰りに曲がり角で人にぶつかったとき、弾みでバックを落として中身をぶちまけたらしい。
その時落としたんだろう、とみょうじは話すが、その角では見つからなかったそうだ。
探す内に雨が降ってきて一度は帰ろうと思ったが、諦めずに探しているところ、俺に会った、と言った。
「なぁみょうじ、そんなに大事なのか?その中身は」
「うん。友達が言ってたの。それにあやかったおまじないをしていて……」
「おまじない?」
「そう。でも生徒手帳には私の名前が書いてあるから、見つかったら恥ずかしくて……」
なーるほど、な。
そのおまじないがどんなもんか俺にはわからないが、おまじないを知っている人にはすぐにバレてしまうんだろう。
ホント女子は好きだよな、そーいうの。
「あなたも女の子じゃない」
……忘れてた。
「ところで私のこと、知ってるんですか?」
「え、」
「名前も知ってるし、初めてあった話し方じゃないし」
「それは、その……あ?」
すっかり忘れてたが、女の姿でみょうじに会うのは初めてで。
しかもみょうじは俺の体質のことを知らないらしい。
馴れ馴れしい俺の態度を問われたとき、みょうじが道の隅に駆け寄った。
「どうした?」
「……あった!」
振り返ったみょうじは、今まで不安そうにしていた彼女からは考えられないくらい、満面の笑みを浮かべていた。
手の平サイズの手帳を大切そうに握りしめて。
そしてありがとう、と言いニコニコ笑うみょうじに俺は素直にそう思った。
“かわいい”と。
普段知らないみょうじを少し知りたくなった。
「良かったな、見付かって」
「ホント、良かった」
既に濡れてしまった生徒手帳を裏表紙からめくると、みょうじは顔を綻ばせた。
知らなかっただけで、色んな表情をするんだな、と思う。
微笑む表情に、ソレがおまじないか、と感づいた俺は家の塀に登って、後ろから覗き込もうとした……が。
「みっ、見ちゃダメッ!」
素早い反応で見ることが出来なかった。
顔、真っ赤だぞ(笑)
「いーじゃねーか、女同士なんだからよ!誰にも言わねーって!」
「でも……」
「一緒に探した仲じゃねーか」
興味津々で、見たくてたまらねー。
もじもじするみょうじは、躊躇ったように口を開いた。
「ほんとうに言わない?」
「言わねー言わねー」
「絶対?」
「絶対っ!」
冷たくなった手で渡された生徒手帳。
開ける前に何のおまじないか聞くと、恋愛のおまじないだという。ということは、みょうじの好きなヤツがわかる。
まさかまさかの九能先輩だったりして(笑)
開いてみると、そこには―――