旧拍手
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「もしもし?久しぶり」
「久しぶりだな。元気してるか?」
「うん。良牙は?」
「元気だぞ」
「そっか。ところでさ、今どこにいるの?」
「森の中だが?」
「どのくらいいるの?」
「二、三日くらいだと思うが……」
「本当にそこ森なの?」
「そうだと思うが……何だ、ここは森ではないのか?樹海か?」
「いや樹海ほど広くないから。ねぇ、後ろ見てみて」
「後ろ?」
顔を上げて後ろを振り返る。そこには、一人の少女が。
「っ、な!?」
「久しぶり」
「な、何故ここに!?もしや俺は知らない間に三途の川を渡ったのか!?」
「いやいや、私まで死人扱いしないでくれる?生きてるから」
「あ、あぁ……すまない。気が動転して。しかし……何故ここに?」
「最近ね、気になる噂があったの」
「……噂?」
「それより、ねぇ。ここがどこかわかる?」
「ここは……どこなんだ?」
「ここはね――」
「っ!?」
嘘だ、と言った俺の手を引いて歩き、森を抜けたその先には――すべり台。
その場所から道に出ると見えるあの屋根は、コイツの家だ。
俺がさ迷っていた森というのは、どこにでもある公園だった。
「いつもお前の部屋から見える公園だよな?」
「うん」
「登下校に横を通る公園だよな?」
「うん」
あああああっ。
こんなに近くにいたのか、俺の想い人は。
思わずしゃがみ込んだ。
「しかし、よく俺がここにいるとわかったな」
「んー……噂のお陰?」
「あぁ、そういえばそんなこと言ってたな。で、何だ?その噂って」
「ん~~……、」
「……何だ?」
「何か、言いたくないっていうか、複雑で」
「?」
ブランコに移動して話していると、ウワサの話になった途端、コイツは俯いた。
「聞かない方がいいかもよ?」
「そうなのか?」
「んー、私が言われたら何か切なくなる」
「??」
「ま、会えたんだからいいってことにしとこうよ」
「あ?あぁ……」
気になるが、お前がそう言うのであれば、そうしよう。
………しかし、やはり気になり出したらとまらなくなり、無理を承知で話してもらった。
あぁ……お前の言う通り、聞かなきゃ良かったぜ。
「あのね、この公園に若いホームレスがいるって……」
その下りを聞いて、思わずブランコから落ちてしまった。
END.
拍手ありがとうございました!