旧拍手
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修行から帰ってきて彼女の家に行く途中、雨に遭遇した。
雨の匂いがかすかにしていたから、先手必勝とばかりに番傘をさしたものの……修行中にどこかに引っ掛けてきたのか。
……穴が空いていた。
小さな姿になってしまった俺は、その姿のままリュックを引きずりながら彼女の家を目指す。
幸いなことに、運よく家にたどり着いた。
しかし、豚のままの脚力というのは、人間に比べてたかがしれている。
雨が降ったのは、夕方。
今は真っ暗だ。
家には明かりがついていないから、もう眠っているのだろう。
起こす訳にもいかず、とりあえず玄関の隅に荷物を置いて、彼女の部屋に直行した。
俺がこの姿で来ることもしばしばあるため、窓の鍵は開いているのだ。
先に心の中で謝り、そっと侵入した。
……いた。
規則正しい寝息が聞こえる。
俺はベッドで眠る彼女の枕元に近寄った。
かわいい寝顔だ。
「りょ……が……、」
名前を呼ばれて、動きが一瞬止まる。
俺の夢を見ているのか?
俺はここにいるよ。
一人にしてごめんな。
額を彼女の頬に寄せると、ふふっ、という声が。
彼女の幸せそうな寝顔を見て嬉しくなった。
しばらくすると、自然と瞼が下りてくる。
俺はそのまま眠りについた。
朝は、優しい声とかわいい笑顔に起こされるのだろうと思いながら。
End.
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