「…………雨だ」

放課後、教室の掃除当番だったライキは外から聞こえた音に目を向けた。
さっきまで降る様子はなかったのにいきなりという事は夕立だろう。
天気予報も言ってなかったし。

「はぁ…」

雨って憂鬱な気分になるのはなんでだろう。




掃除も終わり靴箱の所まで行くと案の定「傘持ってない」の声が多かった。
ライキは学校に置きっぱなしにしているから問題はなかった。
人がちらほらいて帰る中、よく見知った人が端の方にいた。

「よっ、アスカ」
「…何よ」

明らかに不機嫌ですと言っているような顔でライキに振り向く。

「んな怖い顔すんなっての」
「わかってるなら言わないでよ」
「いきなりだったもんな」
「ホント最悪…」

同じチルドレンとしてネルフにもいるのでそれなりに会話はしている。
…不機嫌な時は除いて。
何故かと言うとライキに罵声の如く浴びせられるから。
八つ当たりもいい所だ。
ただ今回は状況が状況で声を掛けずにいられなかった。

「ほら」
「は？」




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