世の中は弱肉強食の世界だ。
それを改めて俺は知った。









「あの…マリ？お願いだからどいてほしいんだけど…」
「んー？」

ベットの上の隅に追い詰められているライキ。
それに続いて、ライキが逃げないようにマリが這うようにして至近距離にいる。

「…聞いてる？」
「聞こえない」
「嘘言うな…って何して…」

ライキの上着に手をかけ、ボタンを外していく。
している本人は聞く耳持たず。
あろう事か、その目は血に飢えた肉食動物ようだ。

「何かおいしそう」
「！？」
「それにこんなチャンス滅多にないし。貰える時に貰っといちゃおっと」
「え」

中途半端に肌蹴た上着をグイと引っ張られ。

ペロリ

それは甘い口付けではなく、ライキの唇を確かめるように一舐めした。

「やめろって…」
「とか言っちゃって、本当はドキドキしてるんじゃない？」
「っ…」

否定は出来ない。
マリ程の美少女がこんなにも近くにいて、こんな事をされていれば当然だった。
だがライキは手が出せる勇気はなく、ただされるがまま。

そのまま壁からずり落ちるようにしてベッドに押し倒されたライキ。
上から両手で顔を押え込まれてキスされる。
今度はちゃんとしたキスだ。
マリのかけている眼鏡がほんの少しだけ鬱陶（うっとう）しく思った。

「いいっしょ？」
「…なあ、何でこんな事するの？」
「嫌？」
「嫌と言うか…」

お前は嫌じゃないのか、と問えば言葉で返さず笑みだけで返事された。
そして再び行為を再開する。




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