「う～…飲みすぎたよ～……」
「だからやめろって言ったんだ」

ここはアンマルチアの里。
ライキはそこに住んでいる一人でパスカルの幼馴染みでもある。
肩をかして今まさにパスカルの部屋へ送っている最中。
めったにお酒を飲まないパスカルが何でこうなったのか理由を聞いてみた。

「で、お前が酒飲むって事は何があったんだよ？」
「あー、うん……ちょっと………」

口籠っている。
あのお喋り好きなパスカルがこうまでして言いたくない理由は一つだけ。

「フーリエさんと喧嘩したんだな」
「今してる研究にちょっと助言しただけなのに…」
「口出しするなって事だろ」
「…それ、お姉ちゃんにも言われた」
「自業自得」

徐々に酒は抜けてきているのか、よくもまぁ口が回る。

「……」
「…そんな落ち込むなって。明日にでもまた仲直りしたらいいだけだろ」
「ライキ……慰めてくれてるの？」
「…………別に」
「へへ…ありがと」

ただ素直になれないだけ。
そう自分に言い聞かせた。




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