「リタ、俺さ……死ぬかもしれない」
「……は？」

いつものように本を読んでいたリタはライキの突然の発言に顔を上げた。
ライキはあえてリタと目を合わせないようにする。

「冗談はやめて」
「冗談なんかじゃ…ないよ。これの音が鈍くなってきてるんだ」

トントンと自分の左胸を軽く突く。
そこには……心臓魔導器（カディスブラスティア）がある。

ライキはレイヴンと同じ人魔戦争で一度死に、アレクセイに無理矢理生き返らされた人物。
今となっては当然、みんな知っている。

リタは急いでライキの近くに行く。

「何よ…これ……起動力が前より落ちてる…！」

術式を展開させて驚くリタ。
無理もなかった。
前にも一度調子が悪いからみてほしいと言った事があり、リタもその時の事を覚えている。
その時よりも悪くなってるみたいだった。




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