「ちょっとナイフの切れ味が悪くなってるみたいで新しく買い換えようかなって」
「そうか」

ああ、確かアンジュはナイフだったな…
……って、今更だが思えば女性陣って怖ぇな；
イリアは銃でアンジュはナイフでエルマーナは拳…
しかも旅の最年少のエルマーナが拳ってどうよ（汗）
………………
まぁ、いっか。

「ライキ君はどうしてここに？」
「いや、する事がなかったから近くにあったここに入ったんだ」
「そう………あ」

アンジュは飾ってあった商品の中で新たなナイフを見つけた。
それに近づき手に取る。

「気に入ったのか？」
「そうね…握り心地もいいし、軽くていいわね。これにしようかしら」
「だったら俺が買ってやるよ」

ライキの言葉にアンジュは驚いた。

「そんな！折角だけど気持ちだけで十分…」
「女が買い物する所を男が突っ立ったまま見てるなんて恥ずかしくて出来ねぇって」
「……じゃあ、お言葉に甘えようかしら」

頷いたのを確認して、ライキはアンジュから持っていたナイフを受け取り、武具屋の主人の所へ向かった。
少しするとライキが戻って来てナイフを渡した。

「ありがとう」
「こんな事しか出来なくて悪いな」
「フフ…」
「？」

口元に手を当てながらくすくすと笑ったアンジュにライキは首を傾げた。
一瞬自分が何かしたのかと疑った。




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