「セネル！！」

ライキはセネルの家へと向かい、扉を開けた。

「…どうしたんだ？」
「シャーリィ来なかったか！？」
「落ち着けよ、一体何があった？」
「っ…実は……」




そして事情を話した。

「成る程な…それはシャーリィが勘違いをするのも無理はない」
「何処を探しても街にはいなかったんだ！俺、ちゃんと謝りたいんだ。だから……」
「…………」

セネルは一度考えると、ハッと何か思い出したのか顔を上げた。
ライキは何やら小さな声でブツブツと独り言を言っていた。

「まさか静かの大地に行ったか…？いや、あそこは魔物が出るしシャーリィに限ってそこには行かないだろうし……じゃぁ…」
「水の民の里にある、フェニモールの墓に行ったんじゃないか？」

セネルの話によると、シャーリィは何かある度に友達の墓に行っているらしい。
そこならきっといると思い、言ったのだ。

「今から行って来る！悪いがセネルは皆にここで待ってる様に言っといてくれ！！」
「ああ、わかった……ライキ」
「何！？」

慌てて家を飛び出そうとしていたライキに、セネルは声を掛ける。
ライキにしてみれば一刻も早く行きたいのに何故止めるのかわからなかった。

「いや…何でもない。止めて悪かった」
「？……変なセネルだな。じゃ行って来る！」




セネルは言えなかった。
自分の友達でもあり、仲間でもあるライキに…

「…嫉妬してるなんてな………はぁ」




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