メルキオルの弟子がマギルゥの他にいたとは。
となると気になるのは、やはり年齢なわけで。

エ「貴方はいくつ何です？」
「いくつに見える？お嬢さん」

そんなお嬢さんだなんて…と照れるエレノアに対して、ベルベットは溜息を吐く。

ベ「年齢は兎も角、マギルゥの先輩ならそれなりに戦力になるんじゃないの」
マ「じゃの。ライキの術は、それはもう恐ろしいの一言に限る。闇を得意とする術は二種類に分かれていての」
エ「二種類？同じ属性に種類なんてあるんですか？」

最もな質問だが、ライキは「俺にはある」と言う。

「誰もが恐れる闇と、優しい闇だ」
ベ「意味がわからない」

そもそも闇に優しいなんてあるのか。

「言い方を変えれば…噛み砕かれるか、握り潰されるか」
エ「…ますますわかりません」
マ「ようするに、相手を一瞬にして肉体的苦痛を与えるか、じわじわと精神を攻めるかの違いじゃ」
ベ「どっちも優しくないじゃない」
「そうでもない。一瞬だと考える間もないし、お喋りな奴はこの俺と話をしているうちに痛めつけられている」

これ以上に楽なものはないぞ、と悪びれる素振りもなく淡々とライキは話していく。

「俺に"優しさ"なんてないんだよ」

壊れてしまったあの時から。

マ「ライキは昔から変わらんの～」
「マギラニカ…いや、マギルゥ。お前は居場所を見つけたんだな」
マ「そんな大層なもんじゃないわい。こやつらは何度儂を見捨てた事か」

でも…と続けて口の端がニヤリとした。




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