「レイアー！」
「え？ちょっ、ちょっと待って！」
「あー…またやってるよ、あの二人」
「あっはは…」

ライキは決してレイアを怒って追いかけているわけではない。
近くで見ていたジュードとアルヴィンは寧ろ呆れていると言ってもいいだろう。
このやり取りは今に始まった事ではない。
以前、旅をしていた時もライキは何かと理由をつけてはレイアを追いかける。
例えば。




『あれ？帽子買ったんだ』
『うん。仕事して初めて貰った給料で買ったんだー』

ギュッ

『いやー、可愛いよ、うん』
『って、いきなり！？』

と言って抱きしめたり。




『痛っ！』
『レイア！？』

戦闘で怪我をしたレイアの治療をするライキだったが。

『ライキ君。治すのはわかるが、こっちの方が怪我酷いんだけど…』
『ライキ、私なら自分で治癒が使えるから大丈夫だよ』
『誰が何と言おうとレイアが先！男共は後！』
『ひっで！』

と言う事があったりと。




そう、ライキはレイアの事が好き過ぎなのだ。
勿論周りの人達もレイア自身もそれに気付いている。
しかし、ライキがくれる『愛』が大き過ぎて、どう対応していいのか戸惑う。
その証拠が冒頭である。




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