「それって…」
「セコイ、か？」
「あ、いや、えーっと…」
「くくっ」

慌てて否定でもしようとしているのか、その仕草に思わず笑みが零れる。
笑われた事に何が可笑しいのか、とでも言いたそうなレイア。

「でもな、記事にするってのはそういう事ぐらいはしないと飯食えていけないんだよ」

本当の事を載せるには、真実を突き止めるしかない。

「真実を、突き止める…」
「これも立派な仕事だよ」

やってきた食事に会話は中断された。
食べ終わった後、ライキは歩きながら今回した取材のメモの整理をしていた。

「あの、ライキさん」
「んー、何だ？あとは事務所に帰って編集長に報告して…」
「じゃなくて。ライキさんの言う真実って何ですか？」

歩みを止めたライキはペンの後ろを使ってトンと自分の胸を差す。

「ここだよ」
「気持ち？」
「おしい。自分なりの道を進む事だよ」

ライキの考えに、レイアはそれも悪くないと感じた。









（ライキさん、私頑張るから！）
（あんまり頑張り過ぎてゴシップ記事でも作るなよ）
（そんな事しないですー！）
（どうだか）




END