この愛を受け取って

小さい頃は、よく遊んだ。
一緒に砂場で泥だらけになって、一緒にお風呂に入って、同じ布団に寝て。
数年後のツヴァイウイングのライブの事件から、お互い少しずつ変わっていき。
初めと比べると、今では装者の数も増えた。
そこで響は思った。

「装者の中で男なの何で俺だけ」

響が初の融合症例であり特例でもあるのだが、いかんせん女性率が高過ぎるのだ。

「響が女性に囲まれてるのがいけないんだよ」
「…関係ないよね?それ関係ないよねッ!?」

未来の目のハイライトが薄暗いような気もする。
それよりも。

「…あのさ未来」
「何?」
「…何で俺の布団で寝てんの?」

リディアンの寮で寝泊まりしている筈の未来が、なぜか男の響の布団の中にいた。
ちなみに今日の響は前日遅くまで本部にいた為、一室を借りて就寝していた。
ついでに言うと壁側に響がいる為、未来のいる位置は自然とベットの入口を防いでしまっている。

「子供の時、よくこうやって一緒に寝てたよね」
「ね、寝てたけど…」

状況が状況だからか、どこか妖艶に見えなくもない未来。
逃げ道のない響は、更に壁へと追いやられる。
だが響が引いた分を埋めるように、未来は近付いて。

「み、未来…!?」
「なぁに?響」
「いや、あの…!近い、からッ…!」
「あっ…」

これ以上はまずいと、響は未来の肩を痛めない程度の優しい力で押し返す。
だが響が予想していたよりも未来の身体は簡単にベットへと押し戻され、余った力ごと響の身体が前のめりになり…




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