影翳す存在
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「今のところ必要なのは、これくらいかな」
「私は別に何でもいいけど」
「あのねぇ…響だって女の子なんだし、そんな言い方しない」
「はいはい、どうも」
現在二人は街を歩いていた。
響が一緒に暮らすとなれば、服などの必要品の買い出しがいる。
今着ている服は乃愛のものになり、響が着ていた灰色のパーカーは干している最中。
あれから落ち着きを取り戻した響は、泣き顔を見られた恥ずかしさからか、乃愛と一切顔を合わせていない。
「そんな事言って、未だこっち見ないのは何でですかねー、響さーん?」
「ぐッ…」
指摘されグゥの音も出ない響。
そこに…
「これ…」
「警報…ついてないなぁ」
街中に響き渡るノイズを報せる警報。
「ここからだと近いシェルターは……響、こっち!……響?」
「…………」
乃愛がシェルターの場所を確認していると、響の様子がおかしい事に気付く。
「響ッ!!」
「先に行って」
聞いた事のない、怒りを含んだような声。
ギラリと前を見つめて乃愛に避難するよう言うも、それを素直に聞くわけもなく。
「…自分が何言ってるかわかってんの?ノイズが来てるのに、響を置いて行けるわけないッ!!」
「私には……------がある」
「え?……なに…」
うまく聞き取れなかった言葉。
乃愛が再度問おうとして、周りの異変に反応が遅れた。
避難し終わったのか人の気配がない街中にノイズの群れが、そこまで迫っていた。
「チッ…」
「…うそ……こんな…!」
逃げても間に合わないと思ったのか、乃愛は呆然としていた。
「(……乃愛…)」
…死なせない。
せめてこの人は…乃愛だけは守ってみせる。
響は頭に浮かぶ歌を、口にした。
「Balwisyall nescell gungnir tron」
少女の歌には--血が流れている。
.
「私は別に何でもいいけど」
「あのねぇ…響だって女の子なんだし、そんな言い方しない」
「はいはい、どうも」
現在二人は街を歩いていた。
響が一緒に暮らすとなれば、服などの必要品の買い出しがいる。
今着ている服は乃愛のものになり、響が着ていた灰色のパーカーは干している最中。
あれから落ち着きを取り戻した響は、泣き顔を見られた恥ずかしさからか、乃愛と一切顔を合わせていない。
「そんな事言って、未だこっち見ないのは何でですかねー、響さーん?」
「ぐッ…」
指摘されグゥの音も出ない響。
そこに…
「これ…」
「警報…ついてないなぁ」
街中に響き渡るノイズを報せる警報。
「ここからだと近いシェルターは……響、こっち!……響?」
「…………」
乃愛がシェルターの場所を確認していると、響の様子がおかしい事に気付く。
「響ッ!!」
「先に行って」
聞いた事のない、怒りを含んだような声。
ギラリと前を見つめて乃愛に避難するよう言うも、それを素直に聞くわけもなく。
「…自分が何言ってるかわかってんの?ノイズが来てるのに、響を置いて行けるわけないッ!!」
「私には……------がある」
「え?……なに…」
うまく聞き取れなかった言葉。
乃愛が再度問おうとして、周りの異変に反応が遅れた。
避難し終わったのか人の気配がない街中にノイズの群れが、そこまで迫っていた。
「チッ…」
「…うそ……こんな…!」
逃げても間に合わないと思ったのか、乃愛は呆然としていた。
「(……乃愛…)」
…死なせない。
せめてこの人は…乃愛だけは守ってみせる。
響は頭に浮かぶ歌を、口にした。
「Balwisyall nescell gungnir tron」
少女の歌には--血が流れている。
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