影翳す存在
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「お風呂は時間設定やってたから、もう沸いてるだろうし先に入って」
女の子を脱衣所に押し込んだ乃愛は、二人分の着替えを用意する。
入ってもらってる間に、身体の温まるものはないかと冷蔵庫の中を漁る。
「寒ッ!さ、さすがに濡れたまま冷気に当たるもんじゃないってぇぇぇ…!」
柚子があったので、とりあえず柚子茶でいいかと準備する。
出来上がってコップに注いだ所で、女の子がリビングにやって来た。
「はいこれ。お風呂だけだと身体の中まで温かくならないと思ったから」
「……」
「うん、サイズはいい感じかな。私はお風呂入ってくるけど、テレビ見るなり柚子茶のおかわり自由にしていいよ」
乃愛の服に着替え女の子を見て、今度は乃愛がお風呂に入った。
暫くして乃愛が上がると、テレビは点いてなかったものの、おかわりはしていたようだった。
「ど?ちょっとは温まった?」
「……何で助けたの?」
よく見ると、整った顔立ちの女の子だった。
しかし、目は出会った時と同じく濁ったまま。
「放っておけない。それじゃ理由にならない?」
「……」
「それに見過ごせる程、人が出来てないから」
「……そ」
再び口につけたコップ。
それに続いて、乃愛も自身のコップに注いだ柚子茶を口にする。
「急ぎじゃないなら、泊まっていっていいよ。私一人暮らしだから問題ないし」
お風呂上がりで、こんな夜中に帰らすわけにもいかない。
幸い明日は-既に日付は跨いでいるが-仕事が休みなのもあって、提案した。
「……」
「見た所、私と変わらない歳みたいだし、よかったら名前教えて」
「、」
黙っていた女の子は、『名前』と聞くとピクリと反応した。
「……どこにも言わない。約束する」
「え…?」
「事情、あるんでしょ?だったら、これ以上何も聞かないし詮索しない」
「あと、私の事は乃愛って呼んで」と、後は女の子の言葉を待つ。
「…………響」
「ん、響ね。今はゆっくりしていっていいよ」
これが、乃愛と陽だまりを失った響との出会いだった。
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女の子を脱衣所に押し込んだ乃愛は、二人分の着替えを用意する。
入ってもらってる間に、身体の温まるものはないかと冷蔵庫の中を漁る。
「寒ッ!さ、さすがに濡れたまま冷気に当たるもんじゃないってぇぇぇ…!」
柚子があったので、とりあえず柚子茶でいいかと準備する。
出来上がってコップに注いだ所で、女の子がリビングにやって来た。
「はいこれ。お風呂だけだと身体の中まで温かくならないと思ったから」
「……」
「うん、サイズはいい感じかな。私はお風呂入ってくるけど、テレビ見るなり柚子茶のおかわり自由にしていいよ」
乃愛の服に着替え女の子を見て、今度は乃愛がお風呂に入った。
暫くして乃愛が上がると、テレビは点いてなかったものの、おかわりはしていたようだった。
「ど?ちょっとは温まった?」
「……何で助けたの?」
よく見ると、整った顔立ちの女の子だった。
しかし、目は出会った時と同じく濁ったまま。
「放っておけない。それじゃ理由にならない?」
「……」
「それに見過ごせる程、人が出来てないから」
「……そ」
再び口につけたコップ。
それに続いて、乃愛も自身のコップに注いだ柚子茶を口にする。
「急ぎじゃないなら、泊まっていっていいよ。私一人暮らしだから問題ないし」
お風呂上がりで、こんな夜中に帰らすわけにもいかない。
幸い明日は-既に日付は跨いでいるが-仕事が休みなのもあって、提案した。
「……」
「見た所、私と変わらない歳みたいだし、よかったら名前教えて」
「、」
黙っていた女の子は、『名前』と聞くとピクリと反応した。
「……どこにも言わない。約束する」
「え…?」
「事情、あるんでしょ?だったら、これ以上何も聞かないし詮索しない」
「あと、私の事は乃愛って呼んで」と、後は女の子の言葉を待つ。
「…………響」
「ん、響ね。今はゆっくりしていっていいよ」
これが、乃愛と陽だまりを失った響との出会いだった。
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