知られざる風鳴
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あれから碌に話をしないまま、キャロルやオートスコアラー達との戦いは終わった。
僅かな休息とも呼べるかどうか微妙だが、空いた時間を利用して翼と雷騎は話をする事に。
「……そう、か…そんな事が」
「……」
「風鳴の姓を持ちながら私は…私の知らない風鳴があったとは……」
兄の存在を知った翼は、戸惑いを隠せないでいた。
しかし雷騎は。
「俺の事は兄貴だなんて思わなくていい」
「え…?」
「家を出た奴なんざ、世間が知れば風鳴の穢れ者になるだろうが」
凄く遠回しな言い方だが、雷騎は翼を庇ってもいた。
自身をどう言われようが、どうでもいい。
翼が受ける筈のない批判まで受ける必要はない。
「…一つ聞いても?」
「答えられる範囲ならな」
「なぜあの時、私を助けたのですか?」
「……」
ピクリと雷騎の眉が動いたのを、翼は見逃さなかった。
「……叔父が『行け行け』煩せぇんだよ。しかもなんだ、律儀に俺の口約束なんかまで守りやがって」
弦十郎が今まで雷騎の存在を報せなかったのは、雷騎が口止めをしていたのだ。
口ではどうと言いながらも、雷騎の心意を受け取った弦十郎は何も言わなかった。
妹の、翼を思う兄貴の心を受け取ったとなれば。
「ふふ…そう言うお兄様も、ちゃんと守ってるではないですか」
「…俺の話聞いてたか?兄貴なんて簡単に呼ば「それでも、です」…あ?」
「それでも…私を助けてくれました」
姿勢を正して、一礼する。
「ありがとうございました。お兄様」
「…………馬鹿野郎が」
「…どこへ?」
踵 を返して、雷騎はある場所へと向かって行く。
「叔父のとこだ。今後の事も聞かねぇわけねぇだろ」
「では私も」
「ついてくんな」
「な、なぜですか?」
「…ガキのお守りはごめんだ」
それがただの照れ隠しだと知るのは、この場にいる翼だけだった。
(妹に対して、そのような物言いはどうかと…)
(逆に聞くが、兄貴がこんな口調をしてるってのは、どうなんだ?)
(…改めて戴ければ問題ないかと)
(へッ、そいつは出来ねぇなぁ)
END
僅かな休息とも呼べるかどうか微妙だが、空いた時間を利用して翼と雷騎は話をする事に。
「……そう、か…そんな事が」
「……」
「風鳴の姓を持ちながら私は…私の知らない風鳴があったとは……」
兄の存在を知った翼は、戸惑いを隠せないでいた。
しかし雷騎は。
「俺の事は兄貴だなんて思わなくていい」
「え…?」
「家を出た奴なんざ、世間が知れば風鳴の穢れ者になるだろうが」
凄く遠回しな言い方だが、雷騎は翼を庇ってもいた。
自身をどう言われようが、どうでもいい。
翼が受ける筈のない批判まで受ける必要はない。
「…一つ聞いても?」
「答えられる範囲ならな」
「なぜあの時、私を助けたのですか?」
「……」
ピクリと雷騎の眉が動いたのを、翼は見逃さなかった。
「……叔父が『行け行け』煩せぇんだよ。しかもなんだ、律儀に俺の口約束なんかまで守りやがって」
弦十郎が今まで雷騎の存在を報せなかったのは、雷騎が口止めをしていたのだ。
口ではどうと言いながらも、雷騎の心意を受け取った弦十郎は何も言わなかった。
妹の、翼を思う兄貴の心を受け取ったとなれば。
「ふふ…そう言うお兄様も、ちゃんと守ってるではないですか」
「…俺の話聞いてたか?兄貴なんて簡単に呼ば「それでも、です」…あ?」
「それでも…私を助けてくれました」
姿勢を正して、一礼する。
「ありがとうございました。お兄様」
「…………馬鹿野郎が」
「…どこへ?」
「叔父のとこだ。今後の事も聞かねぇわけねぇだろ」
「では私も」
「ついてくんな」
「な、なぜですか?」
「…ガキのお守りはごめんだ」
それがただの照れ隠しだと知るのは、この場にいる翼だけだった。
(妹に対して、そのような物言いはどうかと…)
(逆に聞くが、兄貴がこんな口調をしてるってのは、どうなんだ?)
(…改めて戴ければ問題ないかと)
(へッ、そいつは出来ねぇなぁ)
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