乃愛が通うリディアン学院には、あの有名な歌手・風鳴翼がいる。
しかし乃愛は歌に興味はあっても、歌手にはない。
門の前に集まる人、人、人。
原因は言わずもがな。

「(はいはい、有名なこって。ご苦労様)」

人の群れを避け、その中心にいる風鳴翼に目を向ける事もなく、乃愛は教室へと行く。

A「おはよー、乃愛」
「おはよう」
B「あれ、あんたはあそこ行かないんだ？」

教室で会った友達に挨拶をし、うち一人がわざとらしく指差す群れ。

「知ってて聞くとか、あんた性格悪ッ」
B「冗談だって」

そんな他愛ない会話をし、一日の授業が終わる。
帰りに乃愛は、以前買いそびれた本を買う為、本屋に寄った。

「(ちょっとくらい、いっか)」

内容が気になったのもあり、近くの公園のベンチで読む事に。
帰った所で、家には誰もいないのだから。

「…………」

思っていたよりも内容が深く、夢中になった。
…ある音が鳴るまでは。

「…やばッ！？」

警報。
それはノイズの出現を報せる音。

「ここから近いシェルターは……」

と、振り返ると色とりどりの"やつ"がいた。

「じ、冗談じゃないッ！！」




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