ク『パパッ！ママッ！』
『駄目、クリスッ！貴女も巻き込まれてしまうッ！』
ク『なんでッ……なんで助けに行かないんだよッ！！』
『ッ…クリス……』




ク『お姉ちゃんのせいだッ！！パパとママが死んだのは…全部お姉ちゃんのせいなんだッ！！』









「ッッ！！」

心臓に釘でも刺されたような痛みに目が覚めた。

「はッ……、…ぁッ……！」

動悸が激しい。
寝ている間にかいた冷や汗と脂汗で、身体が気持ち悪い。

「……はぁ…」

重い身体を起こして、ノアはシャワーを浴びに行く。

「(今になって思い出すなんて…)」

決して忘れていたわけではないが、心の奥底に眠っていた記憶が一気に呼び出されると、どうしても困惑してしまう。
時間は早朝。
家にはノア一人しかいないからか、シャワーの音だけが風呂場に空しく響く。
暫くして上がったノアは簡単に朝食を済ませて、ある場所に向かって行った。
着いた場所は…本部。

弦「む？ノア君か。今日は随分と早いな」
「おはようございます、司令」

案の定と言っていいのか、司令の風鳴弦十郎はそこにいた。

弦「それに休みだろう？正午の訓練までは時間もある…何かあったのか？」

そう、正午には装者達の訓練が予定されている。
それよりも何時間と前にノアが来たのであれば、何かあったのかと聞き出した。

「偶々目が覚めたので、正午まで自主練…と言えばいいのでしょうか。その許可を貰いに来たんです」
弦「ほう…それは感心するが、皆との訓練までに体力を消耗するぞ？それだと「お願いします」」

言葉を遮ってでも、今のノアは夢の光景を頭から拭い去りたかった。




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