隔離生活を終え、暫くは平穏な日々が戻った。
雷騎はクリスと再会出来た事を両親に電話で伝えると、電話越しに涙ながらに安心していた。

「だから、俺のほうで面倒みるよ。大丈夫。今度はちゃんと守るから」
ソ『そうね…それならクリスも安心出来るわね』
雅『なら今度、写真の一枚でも送ってもらいたいものだ。娘の成長を一目見たい』
「そうだな…わかった。クリスにお願いしておくよ。それじゃ」
雅『ああ、それと雷騎』
「ん？」

そろそろ電話を切ろうとしていると、父が何か言いたげだったので耳を傾けた。

雅『いくら一緒に暮らすからと言って、間違っても妹に手を出すんじゃ』

ピッ
ツー…ツー…ツー

「(俺は何も聞かなかった。うん、何も聞かなかった事にしよう)」

余計な事を口走り始めた父親の言葉を最後まで聞かず、強制的に通話を切った。

「にぃにぃ…」
「ああ、起こした？」
「ううん…」

早朝もあってか起きたばかりのクリスは、まだ眠い様子だった。
ついでに言うと、今のクリスの口調だが…

「(…俺、どっかで間違えたか？)」

雷騎と二人の時だけ、なぜか若干幼児退行してしまっている。
非常に可愛いのだが、雷騎としては教育上いいのか悪いのか。

「(…可愛いからよしッ！！)」ｸﾞｯ(・∀・)d

しかし、この男は腐っていた。

「そう言えばクリス、学校は楽しいか？」
「あ、ああ……うん…まあ…」

ピクリと反応したクリスは、口をくぐもらせながらも答える。
理由は言わずもがな、楽しいさもあり恥ずかしさもあり、といった感じだ。

「後輩だけど響ちゃんもいるし、翼ちゃんは先輩だから何かあったら頼ればいい」
「…にぃにぃは、あの剣…じゃない、先輩とは長いんだよな？」

…クリスちゃんや、今翼ちゃんの事を「剣女（つるぎめ）」って言おうとしたでしょ。




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