改めて紹介しよう。
この一家を支える大黒柱の雷騎と、その妻クリス。
二人の間には子供が三人いる。
まず長女のアリス。
今年8才になったばかりで、クリスと瓜二つな上、性格も似ている。
しかし母の言う事に疑問を持たないのか、言われたまま行動に移すのが珠（たま）に瑕（きず）。
それが、あの起こし方にある。
クリスの言い方一つ間違えれば、いつかとんでもない事を引き起こしそうで不安に思っている。
唯一似なかったのは口調。
そこまで似てしまっては…

ア「パパどうしたの？」
「いいや、何でもないよ」

アリスの妹、ユリスとエリスは双子になる。
アリス一人だと寂しいだろう、何かあったら兄弟姉妹で助け合ってほしいとの願いから産まれてきた子達。
まさか双子だとは誰も思わなかった。
今年で3才になる双子はヤンチャ盛りだが、アリスは嫌な顔をする事なく何でも引き受けてくれるので助かっている。

「せっかくの休日なんだ。皆で公園にでも遊びに行くか」
ア「行くー！」
ユ「くー」
エ「うー」

長女が真っ先に反応し、続けて下の二人が反応する。
とは言っても双子は雷騎が何を言っているか、まだよくわかっていないが。

ク「いいのか？」
「たまにしか行けないからな。クリスも、ゆっくりとした時間がほしいだろ？」
ク「…ありがとな」

雷騎の言葉に胸が熱くなったクリス。
朝食を終えた五人は、このあと公園に向かう事に。




.