誰が為に彼の者と往く
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「……マジかよ」
家や人の焼ける臭いに混じって、小さな泣き声が聞こえた。
特に気にはなかった雷騎だが、どのみち移動方向からのものだった。
やがて進むに連れて、声はハッキリと聞こえてきて。
「パパぁ……ママぁ……!」
そこには既に息絶えた血まみれの夫婦と、その子供と思われる少女がいた。
綺麗な銀色であったろうの少女の髪は黒く汚れていて、着ている服もボロボロだった。
「……おい…」
「ひッ!?」
大きくビクリと肩を跳ね上がらせた少女は、恐々と振り向く。
くりっとした大きな目。
こんな戦場ではなく、先程の容姿がきちっとなっていれば、それはもうどこかのお姫様じゃないかと疑うくらいの可愛らしい子供。
それが今では、涙で顔はぐしゃぐしゃな上、泥だらけときた。
「…何があったと聞くまでもねぇか」
地面に広がる夫妻の血溜まり。
どうあっても助かる見込みがないのは明白だった。
「その二人はもう助からねぇよ」
「ゃ……やだぁ…」
「はぁ…」
子供らしいと言えば子供らしい。
両親の元を離れたくない気持ちがわからなくもない。
が、ここは戦場だ。
いつ自分達にも被害が来るかわからない。
.
家や人の焼ける臭いに混じって、小さな泣き声が聞こえた。
特に気にはなかった雷騎だが、どのみち移動方向からのものだった。
やがて進むに連れて、声はハッキリと聞こえてきて。
「パパぁ……ママぁ……!」
そこには既に息絶えた血まみれの夫婦と、その子供と思われる少女がいた。
綺麗な銀色であったろうの少女の髪は黒く汚れていて、着ている服もボロボロだった。
「……おい…」
「ひッ!?」
大きくビクリと肩を跳ね上がらせた少女は、恐々と振り向く。
くりっとした大きな目。
こんな戦場ではなく、先程の容姿がきちっとなっていれば、それはもうどこかのお姫様じゃないかと疑うくらいの可愛らしい子供。
それが今では、涙で顔はぐしゃぐしゃな上、泥だらけときた。
「…何があったと聞くまでもねぇか」
地面に広がる夫妻の血溜まり。
どうあっても助かる見込みがないのは明白だった。
「その二人はもう助からねぇよ」
「ゃ……やだぁ…」
「はぁ…」
子供らしいと言えば子供らしい。
両親の元を離れたくない気持ちがわからなくもない。
が、ここは戦場だ。
いつ自分達にも被害が来るかわからない。
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