話しは戻るが、二人の食事風景はとても静か。
話す事があれば話すが、何もなければそれで終い。
これはこれで心地良かった。
それが続き暫く経った後、雷騎は口を開いた。

「クリス」
「ん？」
「愛してるよ」
「ッッーー！？」

決して口の中の物を吹き出すなんて事はないが、食事中に愛の言葉とは誰が予想しただろうか。
完全な不意討ちである。

「げほっ！げほっ……ば、馬鹿かお前ッ！いきなり…ななっ…なん…！」
「いや、なんか可愛かったからさ」
「かっ、かわっ…！？」

真っ赤になり、言葉を上手く紡げず一人ワタワタするクリス。

「べ、別に…あたしは可愛くなんか…」

「けど…」と顔を隠すようにして俯き。

「………がと……」
「ん？ごめん、よく聞こえなかった」
「ッ～！ぜってぇわざとだろッ！！」
「あっはは。バレた？」

今日もクリスの家は賑やかであった。

「(でもまあ……悪くねぇ)」
「うん、やっぱり可愛いよ。その笑顔」
「ひ、人の顔をジロジロと見んじゃねえ、この馬鹿ッ！！」




END