弦「…そうか。それは苦労しただろう」
「まぁ、いろいろとありましたけど、こうして来れたのはよかったかと」

本部の指令室で、弦十郎はある女性と話をしていた。
そこに呼び出された装者達が次々と入って来る。

弦「む？来たか」
響「師匠、何か……その人は…？」

何かあったのか問おうとした響だが、見知らぬ女性の存在に気付いた。
しかし女性はマスクをしていて、大きく真っ黒なサングラスを掛けていた。

調「見るからに…」
切「怪しさが大爆発デェス…」
調「うん」
マ「貴女達、失礼でしょ」
切調「あぅッ！」

ボソボソと女性について話していた切歌と調の頭を軽く小突いてマリアは黙らせた。

マ「うちの子達が失礼したわね。続けてちょうだい」
弦「ああ、彼女は今日からS.O.N.G.職員として働く事になってな。まずは皆にも顔を合わして……どうした？」

続けようとした弦十郎は女性がフルフルと震え出した事に気付いた。
どこか青褪めた顔で-と言ってもサングラスとマスクで判り辛い-、マリアに近寄る。

「あ、貴女…」
マ「な、何…？」

怪しさ満点で、いくら同性でも近寄られると自然と身を引く。
そして…

「その歳で子供産んだのッ！？」
マ「なぜそこで子供ッ！？」
「だって今『うちの子達が』ってッ！！」
マ「あれは比喩よッ！どう考えたって私とこの子達の年齢と合わないじゃないッ！！」

「そもそも私はそういった行為は一切してないし、前から好きな人だってッ！」と大暴露した所で、辺りはシン…とした。

マ「あ……」
「そう……だいぶ変わったね」
マ「何がッ……って、その声どこかで…」

突っ込み満載で気付いていなかった女性の声に聞き覚えがあった。
すると女性はサングラスを僅かに下にずらして、マリアと目を合わせる。

「久しぶり、マリアちゃん」
マ「ノアッ…！？」




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