与え、与えられる幸福(しあわせ)

歌音はそのまま二人に連れて行かれる形で自室に到着した。

「…なんか、いつもごめんね」
切「そんな事ないデス!アタシ達は気にしてないデスよ」
調「うん、私も気にしてないよ。勿論マリアも」
「そっか…私は幸せ者だなぁ」

歌音のその言葉に首を傾げる二人。

「マリアに切歌に調…皆に恵まれてる。それに…こうして支えてくれて」

本当は二人よりも年上の私が支えないといけない立場なのに、こうなってるのは少しいたたまれないけど。

そう言う歌音がベッドに座ると、切歌と調は歌音を挟むようにして一緒に座った。

切「…そんな事ないデス」
「…切歌?」
切「本当に幸せ者なのはアタシ達の方デス。いくらお姉ちゃんが寝込んでいたって、ここでアタシ達の帰りを待ってくれてるじゃないデスか」
調「歌音がいるから、厳しい訓練にだって耐えられるんだよ」

「それに…」と続けて言われた調の言葉に、歌音は耳を疑った。

調「私達が、歌音の左腕になるから」
切「そうデスッ!お姉ちゃんのない腕を補うデスよ!」
「……本当にいい子…貴女達って」

この数分後、切歌と調の戻りが遅い事を気にしたマリアが様子を見に行くと、歌音と揃って三人でベッドで寝ている姿を発見。
歌音に至っては、僅かだが微笑んでいるようにも見え、マリアはそれをただ優しく見守っていた。

マ「いい夢を…」




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