『父さんッ…！母さんッ…！』

ノイズは容赦なく、少女の目の前で肉親を殺す。

『やめろッ……やめてくれッ…！！』

そして唯一の妹も…

『ーーーーーー』









『ノイズをぶっ殺す力を…あたしによこせッ！！この手で家族の仇をッッ…！』









『本当にそれでいいのか？』









天羽奏が二課に入って暫く経つまで、酷く荒れていた。
今でこそ翼と姉妹のように仲良くデュエットを組んでいるが、昔とはかけ離れた変化に周りも打ち解けていった。
彼女は忘れたわけではない。
あの出来事を。
家族を殺された、憎しみを持っていた過去を。
だが、そんな彼女に幼馴染みがいたからこその、今があるのかもしれない。
男の名は雷騎。
雷騎は幼くして両親が他界し、当時近所に住んでいた天羽家に引き取られた。
そのままキャラバン隊として天羽家と一緒に行動していた矢先、ノイズの襲撃に遭う。

『俺は何があっても奏に着いて行くよ。だから……今は泣いていいんだ』

奏にとって、雷騎が唯一の心の在り処だったのかもしれない。




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