「ただいまー」

豪邸とも言える大きな家に雷騎が帰宅する。
元々この家は皆がお金を出しあった物でもあるが、その殆んどがS.O.N.G.に勤務していた人達からの祝い金でもあったり。
それも弦十郎がS.O.N.G.を管理していた事もあって、今となっては家の維持費をも任せろと言ってきた。
…風鳴家の金銭感覚を疑ってしまう時もが、あの人柄ではそれも無意味で。

響華「お父さん、おかえりーッ！」
未希「おかえりなさーいッ！」
「っと…二人共、いきなり飛び付いたら危ないだろ？」

父親の注意を聞いてか聞かずか、響華と未希は雷騎から離れようとしない。
とは言っても、元気があり過ぎる響華の真似を未希がしているのだが。

奏太「響華、未希。父さんは仕事から帰ったばかりで疲れてるんだ。早く離れろって」

そこにやって来たのは、子供達の中で一番歳上の奏太だった。
面倒見がいいのは、母親譲りである。
年齢的に反抗期があってもおかしくはないのだが、不思議と奏太にはなかった。

「ははっ、大丈夫。ありがとう奏太」
奏太「ならいいけど。リビングで皆が待ってる」

雷騎の仕事鞄を持った奏太が、響華と未希の背を押しながらリビングへと向かう。
少し遅れて雷騎がリビングに入ると。

リアン「おかえりさない」
セレン「お父さん、おかえりさない」
アリス「…お、おかえり」
「ただいま」

一人素直じゃない子がいるが、それも母親の影響である。
雷騎は気にした様子はなく周りを見るが、どう見ても三人いない。

奏太「…たぶん切斗と白翔がどっか行ったのを、永羽が追いかけたんだと思う」
「永羽がいるんなら大丈夫だな。さーて、今日は皆にお土産買「何買って来たのッ！？」はいはい響華は待てな？」

お土産の言葉を聞いた響華がいち早く反応したので、失礼だが犬の如く首根っこを掴む。

響華「何でぇッ！？」
未希「響華、響お母さんに言われてたよね？『お父さんのお話は最後まで聞くんだよ』って」
響華「あ、そうだった… 」

子供達の母親は揃って装者の仕事も含んで帰りが遅い時があり、勿論皆はそれを知っている。




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