尾張の朝。
天気は快晴で今日一日良い日を過ごせそうだ。
そんな思いを持った者は多くいただろう。
ある悲鳴が聞こえるまでは。

「で、出たあぁーー！！」

「ぎゃあぁ！！」と女性にあるまじき下品な悲鳴を上げながら、寝ていた部屋を飛び出してきたのは乃愛。
ドタバタと廊下を駆ける音に、初めに気付いたのは久遠だった。

久「な、何だ！？何があった！？」

たまたま近くにいたのか、すぐに久遠は現れた。

「く、久遠！！助けてぇー！！」
久「だから何、がっ！？」

再度「何があった」と聞く前に、走って来た乃愛はその勢いで久遠に抱き着いた。
いきなり抱き着かれた事で久遠の言葉が中途半端に途切れてしまう。

久「お、おい！乃愛…！」
「あいつが…私を狙ってるあいつが…！」
久「何！？」

乃愛を狙ってる奴がいる。
それは久遠にとって聞き捨てならぬ言葉だった。
それにしても疑問が残る。
乃愛を狙ってるという事は、相手は天の国から来たのではないかという事だ。

「ここまで…まさかここまで追って来るなんて…！」
久「安心しろ乃愛。相手が誰だろうと我が守る。必ずな！」
「久遠…ありがとう！」

何とも男気のある久遠の決め台詞に乃愛は心から感謝した。




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