これ以上にない良い女だと雷騎なりに誉める中、結菜だけは不満だった。

結「ちょっと、私はよくないって言うの？」
「よくないわけはないが、もっと体力をつけろよ。じゃないと子供産む時に体が持たないぞ」
結「…そうね。だけど雷騎との子供なら、きっと可愛いわよね」
「だろうな」
久「…話がズレてきているが、そろそろ食べないか？」

久遠に言われ、それぞれが座って昼食を摂り始める。
そして暫くして久遠が口を開いた。

久「雷騎、お前は我が理想としている天下布武への道…どう思う？」
「正直、難しいだろうな。けど、それを実現させる事こそ久遠姉の夢」
久「そうだ」
「そして俺は、そんな久遠姉の為に道を切り開く」

「それだけだ」と言って、雷騎は味噌汁に手をつける。
何食わぬ顔で言い切った雷騎を見て、久遠の表情が何処か緩やかになった。

久「いつも雷騎は我の為にと言ってくれる。それがどれ程嬉しい事か」
結「そうね。雷騎にとって久遠は一番だもの」
「結菜も、俺にとっては一番なんだけどな」

自慢の姉である久遠と嫁の結菜。
二人は雷騎にとってかけがえのない存在となっている。

結「あら嬉しい。何処かの誰かとは違って素直に言ってくれるのね」
久「…おい結菜。何故我を見る」
結「別に～？誰も久遠とは言ってないわよ。ねえ雷騎」
「そうだな」
久「くぅ…！こやつら…」

もはやグゥの音も言えない久遠だった。









結(それはそうと久遠の側には、いつになったら夫が来てくれるのかしらね)
久(それは…まあ、いつかは…)
(久遠姉の嫁が俺の嫁になってるんだ。弟に先を越された上、行き遅れにならなければいいが…)
久(よ、余計なお世話だ！)




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