「今帰った」
結「おかえりなさい」

玄関に入るとすぐに結菜が出迎えてくれた。

結「ちょうど昼の仕度が終わったとこなの。一緒に食べましょ。久遠も待ってるわ」
「もうそんな時間か」
結「全く…また時間を忘れてたのね？」

何かと夢中になると時間が過ぎるのを忘れてしまう雷騎。
しかし、そんな雷騎でも忘れない事が一つだけあった。

「それでも、久遠姉や結菜といる事は忘れないぞ」
結「もう…そう言ってくれるのは私も嬉しいから、これ以上は言わないけど」

少し赤みを帯びた顔で言いながら、二人は久遠が待っている場所へ向かった。

久「遅いぞ雷騎！」

部屋に入ると、腕を組んだままの久遠が放った第一声がそれだった。

「壬月と手合わせしてたんだ。許してくれよ」
久「ほう。で、結果は？」
「俺の勝ち」
久「はっはっ！であろうな。もはや壬月相手では役不足か？」

当然の結果だと言わんばかりに久遠は笑った。
だがこれは、決して壬月を馬鹿にしてるわけではない。

「いいや。あれ程の強さはより一層、俺を強くしてくれる」




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