奮うは義なり
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今の幽には、そこまでして高い地位の婚姻にこだわる雷騎が理解出来なかった。
自由気ままに各地を巡り、たまに帰って来ては土産と金を置き、数日経たずしてまた旅に出る。
その際、一葉と手合せをすると決まってこの言葉が交わされている。
一『雷騎、また腕を上げたな』
『応よ。強くなんねぇと意味がねぇからな』
一『またそれか。理由は言ってくれんのか?』
『はっ!一葉が俺に勝てたら言ってやるよ』
一『毎度毎度引き分けしておいてよく言う』
その言葉を聞く度に、幽は手の届かない場所に雷騎は行ってしまったと感じていた。
「不服か?もし俺が祝言を挙げれば、血縁が遠いと言えど当主の夫の妹君ともなれば…」
確かに待遇としては悪くはないだろう。
雷騎は初めから足利姉妹を狙っていたと言っていた。
そして越後の龍の美空や甲斐の虎の光璃。
幽「兄上、まさかとは思いますが…」
「勘繰り過ぎだ」
もう用事は済んだとばかりに、ひらひらと手を振りながら去って行った。
幼い頃に養子に出され、武術やら和歌やらを叩き込まされた幽。
後に足利のお側衆を務めるも、権力の衰えた幕府は常に火の車。
苦労が絶えない日々。
決して将軍の一葉が悪いわけではない。
彼女だって衰えた権力を取り戻そうと健闘している。
しかし現実は惨い。
それよりも早く街は廃れる一方で、もはや手の打ちようがない状態にまでなってしまっている。
幽「……」
雷騎は武術一本で成長してきた。
元々才能があったからか、子供の時から既に大人顔負けの技術を身に付けていた。
口は悪くとも、家族を誰よりも大事にしていた雷騎。
それは幽に対してもそう。
だからこそ、こう思うようになっていった。
各地の当主より強い事を示せばいい。
そうする事で認められれば、自分が良い地位を得られる可能性がある。
まずはそこからだった。
雷騎の考えた事は至極単純なのかもしれない。
それでも…誰かの為、家族の為に。
幽「(某の事何かより…ご自分の幸せを望んで下され)」
幽の思いは果たして雷騎に届くのか。
それはまだ先の話。
NEXT:あとがき
自由気ままに各地を巡り、たまに帰って来ては土産と金を置き、数日経たずしてまた旅に出る。
その際、一葉と手合せをすると決まってこの言葉が交わされている。
一『雷騎、また腕を上げたな』
『応よ。強くなんねぇと意味がねぇからな』
一『またそれか。理由は言ってくれんのか?』
『はっ!一葉が俺に勝てたら言ってやるよ』
一『毎度毎度引き分けしておいてよく言う』
その言葉を聞く度に、幽は手の届かない場所に雷騎は行ってしまったと感じていた。
「不服か?もし俺が祝言を挙げれば、血縁が遠いと言えど当主の夫の妹君ともなれば…」
確かに待遇としては悪くはないだろう。
雷騎は初めから足利姉妹を狙っていたと言っていた。
そして越後の龍の美空や甲斐の虎の光璃。
幽「兄上、まさかとは思いますが…」
「勘繰り過ぎだ」
もう用事は済んだとばかりに、ひらひらと手を振りながら去って行った。
幼い頃に養子に出され、武術やら和歌やらを叩き込まされた幽。
後に足利のお側衆を務めるも、権力の衰えた幕府は常に火の車。
苦労が絶えない日々。
決して将軍の一葉が悪いわけではない。
彼女だって衰えた権力を取り戻そうと健闘している。
しかし現実は惨い。
それよりも早く街は廃れる一方で、もはや手の打ちようがない状態にまでなってしまっている。
幽「……」
雷騎は武術一本で成長してきた。
元々才能があったからか、子供の時から既に大人顔負けの技術を身に付けていた。
口は悪くとも、家族を誰よりも大事にしていた雷騎。
それは幽に対してもそう。
だからこそ、こう思うようになっていった。
各地の当主より強い事を示せばいい。
そうする事で認められれば、自分が良い地位を得られる可能性がある。
まずはそこからだった。
雷騎の考えた事は至極単純なのかもしれない。
それでも…誰かの為、家族の為に。
幽「(某の事何かより…ご自分の幸せを望んで下され)」
幽の思いは果たして雷騎に届くのか。
それはまだ先の話。
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