「まーだこの状態かよ」

背中に大剣を担いで京の街を堂々と歩く男が一人。
その姿を初めて見た者は驚き、またある者は歓喜する。
そう、この男こそ京で知らぬ者はいないと言われている…

子「雷騎様だ！」
子「雷騎様、お帰りなさい！」
「おうガキ共。元気にしてたか？」

大きな手で乱暴に撫でられても、子供達はキャッキャとはしゃぐ。
雷騎は持っていた包みの一つを近くにいた子供に渡す。

「土産だ。仲良く分けろよ。じゃねぇとやんねぇぞ」
子「うん、わかった！ありがとう！」

子供達は雷騎から離れ、言われた通りに皆と分け始めた。
それを見ていた親らしき人が恐る恐る雷騎に近付く。
風貌が怖いのか、はたまた初めて見るであろう大剣に怯えているのか声は小さかった。

親「あ、ありがとうございます」
「んなこたぁいい。俺は俺のやれる事をやってるだけだ。気にすんな」
親「本当に…ありがとうございます…！」

深々と頭を下げた親は子供の元へと向かったのを見て、雷騎は二条館へと歩みを進めた。




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