美「あんたら…いい加減に…！！」
「今晩一緒に寝るからさ、それで許してよ」
美「…、」

決してやましい意味ではない。
乃愛がそう言えば美空の機嫌がよくなるのを知っていての事だ。
まさにブチ切れる寸前だった美空の怒りが、ス…と収まっていった。

美「しょ、しょうがないわね…それで許してあげるわ」
松「乃愛様、大胆」
秋「御大将が羨ましい…」

だが、そこに黙っていない者が一人いた。

柘「ちょーっと待つっす！乃愛様、今晩は柘榴と寝るって言ってたじゃないっすか！」
美「は…？」

それはどういう意味の『寝る』なのか。
そもそも御大将の妹君と一緒に寝るのは部下としてどうなのか。
いろいろと問いたい事があるが、今はそれどころではなかった。

「あれ、そうだった？」
柘「覚えてないんすか！？」
美「……乃愛…どういう事か説明してもらおうかしら…？」

治まっていた筈の黒い"何か"が再び美空の背後に現れる。
これはまずいと思った乃愛は秋子からゆっくりと離れて行く。
板挟みにされている秋子に至っては、さっきから真っ青な状態。
そんな秋子を自ら危険を冒してまで、柘榴も松葉も助けに行こうとはしなかった。

「……三十六k「逃がさない！！」ちょっ！？」

まさか本気で三昧耶曼荼羅を発動させるとは誰が思っただろうか。
具現した五神は美空の命令で乃愛に向かって放たれた。

「それはやり過ぎだってば！」
美「だったら！理由を！話しな…さい！」
「あ、思い出した！確かお酒の席で酔った勢いで言ったような…」
美「なんですってぇ！？」

何だかんだ言いながらも飛んで来る五神を避け続ける乃愛。
それもいい加減に止めようと乃愛は五神と距離を取って向き合った。




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