姉妹とは

久「阿呆らしい」

雰囲気、覇気、姿を現した時の足音などですぐにバレてしまった。
庭に平伏した連れを待たせて、一葉は長田…もとい織田久遠信長と名乗った者を別室へ招く。
その間に葉月は部屋へ戻った双葉の元を訪れた。

「お疲れ、双葉」
双「葉月お姉様」
「…ごめんね。あたしが断ったばかりに姉さんの我儘わがままに付き合ってもらって」

葉月が困った顔をすると双葉は首を横に振った。

双「そんな事はありません。私はお姉様達のお役に立てるのなら、これ以上に嬉しい事はありませんから」
「本当?」
双「はい」
「双葉…」

柔らかい笑みで言い切ったそんな双葉を優しく撫でた。
くすぐったそうでいて照れくさいのか、少し顔が赤くなる双葉。

「そうだよね。あたしが…あたし達が姉さんを支えてあげないと」
双「葉月お姉様?」
「何でもないよ」

それから幽が二人を呼びに来るまで、差ほど時間は掛からなかった。









(それにしても共闘ねぇ…よく言うよ)
一(いかんか?)
(悪くはないけど。兎に角、この町娘の着物は暫く没収するから)
一(なっ、葉月!)
(姉さんは目を離すといつもこれだから…)
幽(いやはや、葉月様も抜け目ありませんなあ)




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