足利の嫁
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双「お待ちしておりました」
「何かごめんね双葉。疲れてない?」
双「私は大丈夫です」
幽が言ってたように、今の双葉には疲労というものはない様子だった。
幽『好いた人と共にいれば疲れなど吹き飛びましょう』
「(あんな事言われたら意識しちゃうじゃん…!)」
双「乃愛様?どうかされましたか?」
「あ、う、ううん。何でもないよ」
さっき言われた事を思い出して一人恥ずかしくなってしまった乃愛。
それよりも、と頭の中を振り払うかのように礼法に関する書物を開き始める。
しかし百聞は一見に如かず。
文字だけでは到底わかるものではない。
まずは双葉が手本をやって見せ、次に乃愛がする。
そこでおかしな点があったら双葉が再度動きを見せる。
それを暫くして双葉は言った。
双「乃愛様はなぜ礼法を?」
乃愛にとって兵法は頭を使うだけで覚える事に何の苦もなかった。
だが礼法となると、頭ではわかっていても動きがそれについていけない。
このままでは駄目だったのだ。
「んっと、うまくは言えないけど…一葉と双葉の名前に傷を付けたくないからだよ」
一葉の嫁という事は将軍の嫁でもある。
覚えているのと覚えていないのとでは意味が全く違ってくる。
双「私も…ですか?」
「そうだよ。だって一葉の次の、次期将軍でしょ。覚えてなかったら失礼にあたるからさ」
半ば強引に一葉の嫁になってしまったと言っても、そこはやはり嫁。
乃愛は乃愛なりにケジメを付けるつもりだった。
双「…ありがとうございます」
小さくお礼を言った双葉。
清楚な笑顔を見せるその姿に、乃愛は思わず声が出てしまう。
「双葉って可愛いよね」
双「え!?そ、そんな事は…!」
「私も妹がいたら、こんな感じなんだろうな」
双「妹…ですか」
「…双葉?」
俯いていった言葉を聞き取れず、乃愛が声を掛けてもずっとそのまま。
何か言ってはいけない事でも言ってしまったのかと不安になる乃愛。
そしてどこか意を決したように双葉は顔を上げた。
双「…乃愛様」
「な、何?」
双「私、ずっと前から言いたい事がありました」
膝の上でギュッと握った手。
白い肌が更に白くなっても緩める事はない。
双「だけど乃愛様が…乃愛様がお姉様のお嫁さんになった時から、これはいけない想いだったのかもしれません」
双葉を妹として見ていた乃愛。
しかしそれは、思われていた本人にとって違う想いだった。
双「わ、私…を……妹と見ないで…もらいたいのです」
乃愛の手をとるその手は、小さく震えていた。
「双葉…それって…」
双「わかっています。けれど、この想いは…もう…」
抑えられない。
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「何かごめんね双葉。疲れてない?」
双「私は大丈夫です」
幽が言ってたように、今の双葉には疲労というものはない様子だった。
幽『好いた人と共にいれば疲れなど吹き飛びましょう』
「(あんな事言われたら意識しちゃうじゃん…!)」
双「乃愛様?どうかされましたか?」
「あ、う、ううん。何でもないよ」
さっき言われた事を思い出して一人恥ずかしくなってしまった乃愛。
それよりも、と頭の中を振り払うかのように礼法に関する書物を開き始める。
しかし百聞は一見に如かず。
文字だけでは到底わかるものではない。
まずは双葉が手本をやって見せ、次に乃愛がする。
そこでおかしな点があったら双葉が再度動きを見せる。
それを暫くして双葉は言った。
双「乃愛様はなぜ礼法を?」
乃愛にとって兵法は頭を使うだけで覚える事に何の苦もなかった。
だが礼法となると、頭ではわかっていても動きがそれについていけない。
このままでは駄目だったのだ。
「んっと、うまくは言えないけど…一葉と双葉の名前に傷を付けたくないからだよ」
一葉の嫁という事は将軍の嫁でもある。
覚えているのと覚えていないのとでは意味が全く違ってくる。
双「私も…ですか?」
「そうだよ。だって一葉の次の、次期将軍でしょ。覚えてなかったら失礼にあたるからさ」
半ば強引に一葉の嫁になってしまったと言っても、そこはやはり嫁。
乃愛は乃愛なりにケジメを付けるつもりだった。
双「…ありがとうございます」
小さくお礼を言った双葉。
清楚な笑顔を見せるその姿に、乃愛は思わず声が出てしまう。
「双葉って可愛いよね」
双「え!?そ、そんな事は…!」
「私も妹がいたら、こんな感じなんだろうな」
双「妹…ですか」
「…双葉?」
俯いていった言葉を聞き取れず、乃愛が声を掛けてもずっとそのまま。
何か言ってはいけない事でも言ってしまったのかと不安になる乃愛。
そしてどこか意を決したように双葉は顔を上げた。
双「…乃愛様」
「な、何?」
双「私、ずっと前から言いたい事がありました」
膝の上でギュッと握った手。
白い肌が更に白くなっても緩める事はない。
双「だけど乃愛様が…乃愛様がお姉様のお嫁さんになった時から、これはいけない想いだったのかもしれません」
双葉を妹として見ていた乃愛。
しかしそれは、思われていた本人にとって違う想いだった。
双「わ、私…を……妹と見ないで…もらいたいのです」
乃愛の手をとるその手は、小さく震えていた。
「双葉…それって…」
双「わかっています。けれど、この想いは…もう…」
抑えられない。
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