足利の嫁
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「朝から疲れる…」
朝餉 を終えて今日の予定を確認する。
昼までには家老が挨拶にやって来るなど、本来は一葉がやるべき仕事。
それを妹の双葉に任せ、自身は街に出て悪漢共から金銭を巻き上げているのだ。
この時代の油代はとても貴重。
いくら幽曰く「おぜぜが乏しい」と愚痴を零しても、それを食い繋げるだけ日々の金銭を…
「(っと、これ以上は深く突っ込んじゃ駄目だよね)」
兎に角、乃愛は昼以降は特に予定がなかった。
そこで足利の仕来りでも勉強しようかと考える。
こう見えても乃愛は一葉の嫁。
ここにいる限り相応の仕来りを覚えなければならない。
しかし、それはただの一般常識で済まされるものではなかった。
特に礼法。
目上の人に対する挨拶の仕方からご飯の食べる順番、服の着方に風呂に入る時など様々。
それらを一葉は普段からしなくても出来るのだ。
妹の双葉も完璧にこなせている。
「…よし、頑張ろ」
乃愛としては、ここまで良くしてくれた皆の為にも応えてあげたかった。
最も一葉は「覚えなくてもいい」とは言ってくれたものの、嫁の立場としてどうかと幽が一番煩いもので。
しかもその幽も細川家の養子でありながら完璧超人と言っても過言ではない。
幽「ふむ。何やら某の事を言われているような気配が…」
「ひっ!?」
いつからいたのか、乃愛のすぐ後ろには幽が立っていた。
「う、後ろには立たないでよ!」
幽「これは失敬」
「…本気で言ってる?」
反省の色はないのか「はっはっは」と軽く笑って見せる幽に乃愛は呆れた。
幽「それで何か考え事ですかな?某でよければ相談に乗りますぞ」
乃愛は先程考えていた事を言った。
双葉に教えてもらおうかとも思ったが、忙しい午前の事もあったので行けない事も。
幽「その双葉様から乃愛殿に言伝 を預かっておりますれば」
「どんな?」
幽「『勉学に励むなら私の部屋でどうですか?』との事」
「まさか、これを言いに私を探してたの?」
「左様」と言った幽に、乃愛はわざわざ後ろに立つ必要があったのかと疑問に思ったが口に出さなかった。
「一葉は兎も角、双葉は疲れてるんじゃないかな」
幽「好いた人と共にいれば疲れなど吹き飛びましょう。双葉様も乃愛殿を好んでおられますし」
「め、面と向かって言われると恥ずかしいんだけど…」
幽「…某も人の事は言えませんが」
「何?」
幽「いえいえ何でも」
最後に小さく言った幽の言葉をうまく聞き取れなかった。
.
昼までには家老が挨拶にやって来るなど、本来は一葉がやるべき仕事。
それを妹の双葉に任せ、自身は街に出て悪漢共から金銭を巻き上げているのだ。
この時代の油代はとても貴重。
いくら幽曰く「おぜぜが乏しい」と愚痴を零しても、それを食い繋げるだけ日々の金銭を…
「(っと、これ以上は深く突っ込んじゃ駄目だよね)」
兎に角、乃愛は昼以降は特に予定がなかった。
そこで足利の仕来りでも勉強しようかと考える。
こう見えても乃愛は一葉の嫁。
ここにいる限り相応の仕来りを覚えなければならない。
しかし、それはただの一般常識で済まされるものではなかった。
特に礼法。
目上の人に対する挨拶の仕方からご飯の食べる順番、服の着方に風呂に入る時など様々。
それらを一葉は普段からしなくても出来るのだ。
妹の双葉も完璧にこなせている。
「…よし、頑張ろ」
乃愛としては、ここまで良くしてくれた皆の為にも応えてあげたかった。
最も一葉は「覚えなくてもいい」とは言ってくれたものの、嫁の立場としてどうかと幽が一番煩いもので。
しかもその幽も細川家の養子でありながら完璧超人と言っても過言ではない。
幽「ふむ。何やら某の事を言われているような気配が…」
「ひっ!?」
いつからいたのか、乃愛のすぐ後ろには幽が立っていた。
「う、後ろには立たないでよ!」
幽「これは失敬」
「…本気で言ってる?」
反省の色はないのか「はっはっは」と軽く笑って見せる幽に乃愛は呆れた。
幽「それで何か考え事ですかな?某でよければ相談に乗りますぞ」
乃愛は先程考えていた事を言った。
双葉に教えてもらおうかとも思ったが、忙しい午前の事もあったので行けない事も。
幽「その双葉様から乃愛殿に
「どんな?」
幽「『勉学に励むなら私の部屋でどうですか?』との事」
「まさか、これを言いに私を探してたの?」
「左様」と言った幽に、乃愛はわざわざ後ろに立つ必要があったのかと疑問に思ったが口に出さなかった。
「一葉は兎も角、双葉は疲れてるんじゃないかな」
幽「好いた人と共にいれば疲れなど吹き飛びましょう。双葉様も乃愛殿を好んでおられますし」
「め、面と向かって言われると恥ずかしいんだけど…」
幽「…某も人の事は言えませんが」
「何?」
幽「いえいえ何でも」
最後に小さく言った幽の言葉をうまく聞き取れなかった。
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