与えられた夢の先
結局は幽が教え、再び柚葉は自室に戻った。
それから暫くすると襖が開く。
そこには一葉と幽がいた。
一「ふむ…精が出るの」
幽「何を偉そうに言っているのですか。殆どが一葉様の分なのですよ」
あれから幽が先の一部始終を一葉に話すと、「様子を見に行く」と言ってやって来たとの事。
文句の一つも言う事なく、柚葉は黙々とこなしていくとポツリと言葉を発した。
「一葉姉は、仕事しない時はしないから」
一「これ柚葉!それでは余が無能な将軍と捉えられてしまうではないか!」
幽「仕事をしなければ無能も当然かと…」
一「何ぞ言うたか?」
幽「いいえ、何も」
一睨みする一葉に目を合わせる事なく幽は答えた。
「双葉姉は?」
幽「書斎に。して柚葉様、残りの仕事は全て一葉様が引き受けられるそうなので、行ってみてはどうでしょう?」
一「は!?ちょっと待て幽!どういう事じゃ!?」
どうもこうも…と続けて幽から、その為にここに来られたのでは?と言われて初めて一葉は気付く。
一「…だから来る時に止めなかったんじゃな」
幽「はて、何の事やら」
一「こやつは本当に腹の読め……ん?柚葉?」
すぐ側にいた筈の柚葉の姿が何処にもなかった。
代わりに机には書類と僅かに開け放たれた部屋の襖が、ある事を物語っていた。
幽「柚葉様なら今しがた出て行かれました」
一「ま、待て柚葉!姉を見捨てるのか!?戻って来い!!」
幽「一葉様はこちらです」
そこには同じく出て行こうとする一葉を引き止める幽がいたとか。
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それから暫くすると襖が開く。
そこには一葉と幽がいた。
一「ふむ…精が出るの」
幽「何を偉そうに言っているのですか。殆どが一葉様の分なのですよ」
あれから幽が先の一部始終を一葉に話すと、「様子を見に行く」と言ってやって来たとの事。
文句の一つも言う事なく、柚葉は黙々とこなしていくとポツリと言葉を発した。
「一葉姉は、仕事しない時はしないから」
一「これ柚葉!それでは余が無能な将軍と捉えられてしまうではないか!」
幽「仕事をしなければ無能も当然かと…」
一「何ぞ言うたか?」
幽「いいえ、何も」
一睨みする一葉に目を合わせる事なく幽は答えた。
「双葉姉は?」
幽「書斎に。して柚葉様、残りの仕事は全て一葉様が引き受けられるそうなので、行ってみてはどうでしょう?」
一「は!?ちょっと待て幽!どういう事じゃ!?」
どうもこうも…と続けて幽から、その為にここに来られたのでは?と言われて初めて一葉は気付く。
一「…だから来る時に止めなかったんじゃな」
幽「はて、何の事やら」
一「こやつは本当に腹の読め……ん?柚葉?」
すぐ側にいた筈の柚葉の姿が何処にもなかった。
代わりに机には書類と僅かに開け放たれた部屋の襖が、ある事を物語っていた。
幽「柚葉様なら今しがた出て行かれました」
一「ま、待て柚葉!姉を見捨てるのか!?戻って来い!!」
幽「一葉様はこちらです」
そこには同じく出て行こうとする一葉を引き止める幽がいたとか。
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