「ミドリー！そろそろ起きなさい！」

「今起きないとアカデミーに遅れるでしょ」と、とある家でノアの声が響く。
少ししてからミドリは眠たい目を擦りながら部屋から出て来た。

「おはよー、お姉ちゃん」
「はい、おはよう。朝ご飯出来てるから顔洗って来なさい」
「はーい」

素直な彼女はリビングを一度出て姉の言われた通りにする。
その間にノアは、いつでも食べられるようにと準備を進めて行く。




「でね、アカネってば慌てちゃってさ」
「アカネ君も大変ね」
「そこでアオトが難なくクリアするから悔しがって」
「そうなの？アオト君は優秀なのね。所でミドリ」
「ん？」
「アカデミーは楽しい？」
「うん！皆もいるし楽しいよ！」

朝食を食べながら最近あった事を話すミドリ。
ノアはそんな楽しそうに話すミドリを見ていて退屈しなかった。

「あ、ねえお姉ちゃん。やっぱりお姉ちゃんの仕事って…教えてくれない…んだよね？」

そう、ノアには一つ言えない事があった。
それは誰にも言えないわけではないのだが、ミドリがアカデミーに通っている事を考えてノアは言えずにいるだけ。

「…ごめんね。今は言えない」
「『今は』？」
「うん。でもその時が来たら話すよ。約束」

だからそれまで待ってて。




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