いきなりだがリナとポーカー勝負をする事になった。
ルールは単純で、先に15勝した方が勝ち。
おまけに『負けた方は何でも言う事を一つだけ聞く』という条件付き。
内容は至って簡単だが、相手がそうではなかった。
何て言ったってリナはロールルーラーを持っている。
対してノアは何の能力も持っていない。
使わずに勝負してくれるものだと思っていたノアの間違いだった。

「っ…リナ！何でロールルーラー使うかな！普通に戦ってよ！」

イライラするノアとは対照的にリナは至って冷静だ。
それが長時間ともなるとノアにも疲労が見えてくる。
そして…

15戦目が始まって、ノアが手札を3枚捨てて別の3枚を手にした時、ようやくリナが口を開いた。

「私は勝つ為なら手段を選ばない」

自らの手札2枚を捨てる。

「例えリオと戦う事になっても…」

新たに2枚加える。

「ふふ…貴方を手に入れる為にも、ね」
「なん、で…」
「フラッシュ」

リナの手札はフラッシュ。
対するノアの手札はツーペア。

「……」
「15戦15勝、私の勝ちね」
「リナ…」

結局最後まで手加減はしてくれなかった。
項垂れるノアに近寄ったリナは後ろから抱き締める。




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