約束していた時間が来たようでリョーコとルカがやって来た。

リ「乃愛」

口数が少なく右目に眼帯をしたリョーコ。
彼女のその目は千里眼だと言われている。

ル「乃愛、アキから聞いたけど本当かい？」

右目の下に涙の形をしたペイントをしているルカ。
その涙には秘密があると本人は言っているが…
それは本人のみぞ知る。

「その話ね。でも何で私が…」
ル「僕だって乃愛が作ってくれるのを楽しみにしてるんだよ」
リ「頑張って」

慰めなのか乃愛の肩をポンとリョーコは置く。
しかし今の乃愛にその行為をすると何ともいたたまれない。

「…リョーコがやってみる？」
リ「ウチ、頭よくないから」
「そうですか」

目を逸らしてはいるものの、戸惑う事なく言い切ったリョーコにさすがの乃愛も呆れた。

ア「何も一人でやれとは言ってないだろ」
ル「乃愛の知り合いに音楽に携わっている人がいるって聞いたよ」
「確かにいるけど…………まさか」

そう、その人に作る為に協力してもらえと言っているのだ。
…何で知っている。

何処まで自分の関係者ルートを調べたんだ、この人達は。

「ならその人にやらせれば…」
ア「俺は乃愛がいいに決まってるだろ」
リ「乃愛がいい」
ル「僕だって乃愛がいい」
「いい、いいって連呼するな！！それと我儘も言うな！！」

激しく疲れる。
こうも叫び続ければ体力がいつまで持つかわからない。
大きく溜息を吐いた乃愛は、何とか落ち着かせた頭でこう言った。

「……三日だけ時間ちょうだい」




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